前の回答でも書きましたが「電気回路は変形してより理解の簡単な形に近似することができる」のではありますが、「近似の前提となる条件が成立する短時間 (数フェムト秒~数ナノ秒) のみ、その近似は成立する」ということはしっかり意識しておいてください。時間が経過すると今立てた近似モデルは不成立になり、別の近似モデルを立てなきゃならなくなります(というのを「動的に解析する」という)
# 今どきの CPU は 1GHz 超で動作する(=クロック保持時間は 1nsec 未満)っス。
コンデンサにはすでに 2.5V が充電されている
というのは、著者が解説のために設けた「ある瞬間の前提条件」です。よってその瞬間の前あるいは後ではこの条件は成立しなくなります。決して「ずっと 2.5V を維持している」わけではないのですがこの辺大丈夫?本の解説は、たまたまコンデンサの電圧が 2.5V である数フェムト秒~数ナノ秒のみ成立します。大事なことなので ry)
# 英語ではコンデンサという単語は凝縮器と解釈されます。キャパシタのほうが適切ですが、この解説中は原著に従ってコンデンサと呼称しましょう。
コンデンサの性質は電気を流さないことだと思います。
ここも誤解があるというか(誤解というと失礼ですけど)。中一生が二乗したら負になる数なんかないですよねと言っている感じ。
コンデンサの性質は「両端の電圧差を一定に維持しようとする」です。だけど周りの回路がそれを許さないよう作ってあるので、充電=電圧差が大きくなる、放電=電圧差が小さくなる、を行うのです。コンデンサには電流が流れるんですよ。
で、前回同様「電源電圧は恒常的に一定とみなしてよい」「 CMOS IC の出力段は電源と短絡していると近似して良い」から提示の近似回路図が得られます。
Warning: TC74HC14AP のマニュアルによると入力端子に掛けてよい電圧は Vcc+0.5V
なので VCC=5.0V
のとき 7.5V
がかかってしまう回路は0点です。オイラなら回路レビューで再設計を命じます。
オイラの言いたいことはだいたい全部 @ozwk さんに言い尽くされてしまったので別方面から
モデル(というかモデル化理解)について慣れていないせいか誤解があるようです
コンデンサの性質は電気を流さないこと
これも「そういうモデルが成立しているときは、その通り」で、一定電圧を印加し続けた後にはそのように解釈していいです。どの程度の時間が経過したら一定とみなしてよいかを「時定数」と呼び、式では τ=CR
ですね。
では一定電圧でない場合(電圧が揺動している場合)は上記モデルは成立しないということになります。電流を流さないモデルが成立しないのだから、電流を流せる(コンデンサに電流が流れる)モデルが成立します。
放電済みコンデンサを電源に並列つなぎして充電する⇔充電済みコンデンサを電源に直列つなぎしてより高い電圧を一時的に出す、を切り替える回路をチャージポンプと呼びますが、普通に多用されています。 RS232
の出力ドライバICはこれを使って [-10V - +10V] な信号を作っています。
AC/DC ってのも同様、理解の仕方が違うというか。 AC ってのは基準点から見て電圧が正負に振れるものをいいます。この「基準点」はモデルを立てる人が任意に決めてよくて、回路上 GND
と書かれている場所である必然はありません。
V(t) = 0.0V + 2.5 * sin(ωt)
だと基準点 0.0V
な AC (-2.5V - +2.5V な波形)
(であることには納得していただけるものと思う)
V(t) = 2.5V + 2.5 * sin(ωt)
だと基準点 2.5V
な AC (0.0V - 5.0V な波形)
(普通はこれを DC とは呼ばない:こちらが納得できるか否か)