Zabbixのような監視ツールを既存の監視ツールが存在するIaaS環境に導入することについては、いくつかのメリット、デメリットがあります。以下、それぞれ列挙してみます。
メリット
柔軟に設定できる
ベンダの提供するものは、大抵導入が簡単な分監視項目が少なく、思い通りの設定ができなかったりします。
その点、自分で監視ツールを導入することで、欲しい項目を取得し、それぞれの状態を比較することが容易になります。
サードパーティである
@あとわいと 氏も指摘する通り、AWSとGCPそれぞれに環境を用意(マルチクラウドと言います)する場合、ベンダの提供する監視ツールで確認できる項目はそれぞれのツールに依存してしまいます。このため、同じ項目を取得することができなかったり、欲しい項目を取得できなかったりします。そして、環境を増やす毎に使い方や設定を学ぶ必要があります。一方、サードパーティ製のツールを使うことで、一回覚えてしまえば全部の環境で使い回すことが可能になります。
デメリット
監視ツールのリソースを用意し、実行し、監視をする必要がある(場合がある)
監視ツールの種類や構成にもよりますが、大抵の場合別にインスタンスを立ててそこで実行し、もし監視ツールが突然死んだ場合の対処をする、というような手間が発生します。一方、CloudWatchやStackDriverはマネージドサービスであるため、各ベンダが動作を保障してくれます。
監視ツール用の知識が必要である
ツールに関わらず、導入から設定、実行までにある程度の知識を必要とします。その点、CloudWatchやStackDriverは、ほぼ自動で監視を開始することができます。
別のツールとの連携が比較的簡単ではない
CloudWatchではAWS SNSと連携してエラー時に通知、ということが数クリックで構成可能です。StackDriverでもおそらく可能でしょう。
各種監視ツールで同様のことをするには、一旦AWSのプラグインを入れ、通知用の設定を書く、などの必要があるかと存じます。