@Stateless
の場合、それが EJB であることを表し、同時に以下の性質を持ちます。
@EJB
または @Inject
による DI が可能になる。
- EJB のインターセプターが有効になる。
- デフォルトでトランザクション管理が有効になる (メソッドを抜けると自動的に COMMIT or ROLLBACK)。
- EJB コンテナー内のプールにインスタンスが作成され、再利用される。 ※最近はあまりメリットはないですが…
- オプションでリモート呼び出し、非同期呼び出し、タイマー呼び出しが可能になる。
@RequestScoped
の場合、それが CDI Bean であることを表し、同時に以下の性質を持ちます。
@Inject
による DI が可能になる。
- CDI のインターセプター等、AOP 機能が有効になる。
@Transactional
を併用すればトランザクション管理を有効にできる。
オブジェクトの生存期間は、管理しているコンテナーが違うため若干の差異はありますが、実用レベルでは概ね同じと考えて差し支えないでしょう。
CDI の方が軽量であり、また今後 EJB に代わる Java EE の中核技術と位置づけられていますので、CDI だけで実現できる場合は CDI (@RequestScoped
) を使い、EJB でしか提供されない機能を使用する場合には EJB (@Stateless
) を使う、というのが一つの目安となるでしょう。
※@RequestScoped
アノテーションには CDI で定義される javax.inject.RequestScoped
と JSF で定義される javax.faces.bean.RequestScoped
の 2 種類あります (今回話題になったものは CDI で定義されるものです)。このうち JSF で定義される方は今後廃止予定のため (CDI 側への統合が完了したため) 使用しないようにしてください。