引用はいいんよう、という話だったのでオイラの手元の言語規格書より一部引用。
この辺 move semantics
の絡みがあって規格書の改版で変わっているはずの個所ですが、古くてよければ ISO/IEC 14882:1998
(C++98
) および JIS X3014:2003
(C++03
) ではほとんど全く同じで
12.2 Temporary objects の 3
一時オブジェクトの解体は、それを生成した時点を(字句的に)含む完結式 (1.9) の評価の最終段階で行う。
1.9 Program execution の 12
他の式の部分式となっていない式を完結式 (full-expression) と呼ぶ。
完結式 (full-expession) がわかりにくいですが、要するに「式文」の全体は完結式っす。提示例では printf()
を呼んでいる式文のセミコロン位置が完結式終了位置。つまり printf()
の実行が完了し、呼び出し元に復帰した後で一時オブジェクトが解体されます。提示コードは規格厳密一致ですね。
関数呼び出しの引数の評価順は未規定なので、提示例では "A"
と "B"
の std::string
のどっちが先に構築されるかはコンパイラによって違ってよくて、同一コンパイラでもコンパイルオプションによって違ってよくて、コンパイラベンダによって文書化される義務がありません。ただし、構築の逆順に解体されることは決まっています。
12.2 の 3 が適用されない場合は 12.2 の 4 および 5 ですが提示例に該当しないので省略(気になるのでしたら規格書お買い上げください)
追記:完結式の途中に副作用完了点がある場合でも (12.2-3) で述べてある解体は例外で、完結式(式文と読み替えてよし)の終了の時点まで遅延されます。例えば ?:
のとこから引用(他の演算子のところにも明記されています)
5.16 二択条件演算子 の 1
第一の式についてのすべての副作用は、一時変数の解体 (12.2) を除き、第二の式 または 第三の式を評価する前に発生する。