GTKでテキストウィジェットのテキストのスタイルを変えられますか?
- 色
- フォント
- 書体
リファレンスなどで探したのですが最新のバージョンで使えるものがありません。
まずは、Text Widget Overview で概要をつかむのがよさそうです。
スタイルの変更に関係が深そうな前半は、ざっと次のような内容です。
GtkTextBuffer
は編集中のテキストを表現する(バッファ)。
ウィジェット GtkTextView
は GtkTextBuffer
を表示する(ビュー)。
バッファは任意の数のビューで表示出来る。
GTK+ におけるテキストのエンコーディングは UTF-8。
つまり、1文字が2バイト以上になり得る。
何文字目か、のカウントはオフセット(offsets)と呼ばれる。
何バイト目か、のカウントはインデックス(indexes)と呼ばれる。
バッファ内のテキストはタグ(tag)でマーク(mark)する事が出来る。
タグとはテキストのある範囲に付与する属性。
例えば、あるタグを "bold" と名付け、そのタグ内のテキストを太字にする、といった事が出来る。
ただし、タグはテキストの外観に影響を与えるためだけにあるのではない。
マウスやキーボードでの操作への影響、テキストの一定範囲を編集不可にする、など様々な用途に使用される。
タグは GtkTextTag
オブジェクトで表現される。
一つの GtkTextTag
を、任意の数のバッファ内の任意の数のテキスト範囲に付与出来る。
各タグは GtkTextTagTable
(タグテーブル)に格納される。
タグテーブルは一緒に使用できるタグの集合を定義する。
各バッファには、一つのタグテーブルが関連付けられ、そのタグテーブルのタグのみがそのバッファで使用出来る。
ただし、タグテーブルは複数のバッファ間で共有出来る。
タグには名前を付けてもよい。
これは例えば、"bold" と名付けたタグでテキストを太字にする、などの利便性のため。
名前を付けない、匿名のタグもある。
これは、その場(on-the-fly)でタグを作るのに便利。
ほとんどのテキスト操作は GtkTextIter
で表現されるイテレータを使用して成される。
イテレータはテキストバッファ内の2文字間の位置を表現する。
その他、マークなどの説明が続きます。
Gtk3 のリファレンスは developer.gnome.org にあります。
また、gtk3-demo
というデモアプリケーションがあり、 これは Ubuntu であれば、gtk-3-examples
というパッケージに含まれていますが、以下のようにソースコードも閲覧出来るようになっています。
Python ですが、一応タグを使う例です。
#!/usr/bin/python3
import gi
gi.require_version('GLib', '2.0')
gi.require_version('Gtk', '3.0')
from gi.repository import GLib
from gi.repository import Gtk
# イベントループ
loop = GLib.MainLoop()
# メインウィンドウ
win = Gtk.Window.new(Gtk.WindowType.TOPLEVEL)
win.set_title("TextView のテスト")
win.connect("delete-event", lambda *x: loop.quit())
# バッファ
buf = Gtk.TextBuffer.new(None)
buf.set_text("今日は、世界!\n")
# 文字を大きくするタグ
big_tag = buf.create_tag(
"big",
background="#fff",
foreground="#000",
family="Serif",
scale=2)
# バッファの0~2文字目(オフセット)にタグを設定
buf.apply_tag(big_tag, buf.get_iter_at_offset(0), buf.get_iter_at_offset(3))
# バッファにテキストを追加
buf.insert(buf.get_end_iter(), "Hello, ")
# バッファにテキストをタグを指定して追加
buf.insert_with_tags(buf.get_end_iter(), "world!\n", big_tag)
# ビュー
view = Gtk.TextView.new_with_buffer(buf)
view.set_editable(False)
view.set_cursor_visible(False)
win.add(view)
# スタート
win.show_all()
loop.run()