Reader
やWriter
は例えばファイルの読み書きに用いられますが、一般のプログラムが直接HDDを操作してファイルを取り出すことはありません。ファイルシステムはOSの制御にあります。
ですので、ファイルをオープンしたとき、実際には以下のような流れがあります。
- OSのファイル読み出しの命令を呼び出す
- OSがドライバソフトウェアを用いてハードウェアを操作する
- ファイル実体のバイト列が得られる
- OSからバイト列が返却される
このようなIOで受け渡されるバイトの流れのことを、ストリームと呼びます。この概念を抽象化したのがInputStream
になります。
ファイルを例に取りましたが、実体となるストリームのソースは通信であったり、ハードディスクであったり、メモリだったりします。InputStream
そのものは「バイト列を1バイトずつ扱う」ことを定めたインターフェースとなります。
ここで、もし入力がテキストだと分かっているのであれば、エンコードしながら一文字ずつ読み込んだ方が便利ですよね。「文字列のストリームを1文字ずつ扱う」ことを定めたインターフェースがReader
です。Reader
もInputStream
同様、実体が何かは知りません。
StringReader
はJavaプログラム上の文字列を「入力ストリーム」として扱いたい場合に利用します。実体(ソース)はString
インスタンスです。こちらはインターフェースではなく実装になりますね。
「ソースが文字列の文字ストリームです。」という日本語だと分かりにくいですが、
- 1バイトずつ読み込む「ストリーム」と、1文字ずつ読み込む「文字ストリーム」の2種類が区別されている。
- 「ストリームからどう読み込むか」のインターフェースと、「何のストリームからどう読み込むか」の実装がある。
- ソースが
String
(文字列)のStringReader
(文字ストリームを扱う実装)がある。
と順を追って考えると分かりやすいのではないでしょうか。
Reader関係のクラスは、ストリームその物なのでしょうか?
それともストリームを読み込むための物なのでしょうか?
という質問に対しては、「ストリームを読み込むためのもの」という答えになります。
InputStream
の系列が(入力)ストリームを表現するクラスなのでそういう意味でこちらがストリームその物(のクラス)です。StringReader
が(実際にはそうではないのに)「ストリームです」と書かれているのは、StringBufferInputStream
がJDK1.1でdeprecatedになり、代わりにStringReader
を使え、みたいな流れ上筆が滑ったのかな…と。///コンストラクタの説明では「文字列リーダー」と表現されていますね。