訂正アンサー
更新日2022年7月17日
useEffect
を使う必要はありません。
もともと useEffect
が奨励されていた理由の一つに、メモリリーク警告が挙げられますが、この警告は誤解を招くとして React18 で削除されました。
コンポーネントがアンマウントした後に、setState
などしたときに出るメモリリーク警告は、多くのケースでは実際にはメモリリークには繋がりません。
非同期処理は、シンプルに関数を実行する形で問題ないようです。詳しくは、以下のリンクの Dan Abramovさんの解説をご覧ください。
https://github.com/reactwg/react-18/discussions/82
以下がオリジナルの答え(メモリリーク警告を鵜呑みにした的違いなアンサー)
useEffect
を必ず使うべきというわけではありませんが、useEffect
を使ったほうがベターです。
個人的には、非同期処理をするときに useCallback
でやっても動けばいいじゃんとも思いますが、useEffect
がベスト・プラクティスというのは理解しています。
サンプルコード
以下のサンプルコードには、大きな問題があります。
それは、レンダリングごとにリクエストが発生してしまう点です。
const [name, setName] = useState('');
// ↓ コンポーネントがレンダリングされる度に、axios.get が実行される。
// つまり、レンダリングごとにリクエストが発生する!
axios.get(`https://example.com/api/users/XXX`).then(res => setName(res.data.name));
return (<div>{name}</div>);
- 最初の
setName
が実行されたあとに、React の再レンダリング処理が走る
- レンダリング時に
axios.get()
が実行される
API サーバーに無駄なリクエストが発生してしまい、これは明らかに問題です。
useEffect
を使った場合
useEffect
を使えば、API リクエストが何度も走ることはありません。
const Example = () => {
const [name, setName] = useState('');
// コンポーネントマウント後に一度だけ実行される
useEffect(() => {
let unmounted = false;
async function fetchName() {
// axios ではなく fetch を使いました
// https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/API/fetch
const res = await fetch('https://example.com/api/users/XXX');
if (!res.ok) {
throw new Error(`unexpected status: ${res.status}`);
}
const data = await res.body();
// アンマウントされた後に setName するとメモリ開放の妨げになるため、デバッガーに警告が出る
if (!unmounted) {
setName(data.name);
}
}
fetchName();
return () => {
unmounted = true;
};
}, []);
return <div>{name}</div>;
};
ユーザーアクション後に API リクエストするケース (useCallback
)
次に、APIリクエストのタイミングが、ボタンクリック後のケースも考えてみましょう。
下のケースでは、useCallback
を使います。
// ボタンがクリックされたら名前を読み込む
const Example = () => {
const [name, setName] = useState('');
const unmountRef = useRef(false);
useEffect(() => {
return () => {
unmountRef.current = true;
};
}, []);
const handleClick = useCallback(async () => {
const res = await fetch('https://example.com/api/users/XXX');
if (!res.ok) {
throw new Error(`unexpected status: ${res.status}`);
}
const data = await res.body();
// アンマウントされた後に setName するとメモリ開放の妨げになるため、デバッガーに警告が出る
if (!unmountRef.current) {
setName(data.name);
}
}, []);
return (
<div>
<button onClick={handleClick}>名前を読み込む</button>
<div>名前:{name}</div>
</div>
);
};
このケースでは、アンマウント後に setName
が実行されるのを防ぐため、useRef
を使ってマウント状態を保存しています。
ユーザーアクション後に API リクエストするケース (useEffect
)
かなり冗長的になってしまいますが、理想的な実装です。
// ボタンがクリックされたら名前を読み込む
function reducer(state, action) {
switch(action.type) {
case "LOAD":
return {
...state,
isLoading: true,
};
case "SET_NAME":
return {
isLoading: false,
name: action.payload,
};
default:
return state;
}
}
function reset() {
return {
isLoading: false,
name: '',
};
}
const Example = () => {
const [state, dispatch] = useReducer(reducer, undefined, reset);
const { isLoading, name } = state;
useEffect(() => {
if (!isLoading) {
return;
}
let unmounted = false;
async function fetchName() {
// axios ではなく fetch を使いました
// https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/API/fetch
const res = await fetch('https://example.com/api/users/XXX');
if (!res.ok) {
throw new Error(`unexpected status: ${res.status}`);
}
const data = await res.body();
// アンマウントされた後に dispatch するとメモリ開放の妨げになるため、デバッガーに警告が出る
if (!unmounted) {
dispatch({ type: "SET_NAME", payload: data.name });
}
}
fetchName();
return () => {
unmounted = true;
};
}, [isLoading]);
const handleClick = useCallback(async () => {
dispatch({ type: "LOAD" });
}, []);
return (
<div>
<button onClick={handleClick}>名前を読み込む</button>
<div>名前:{name}</div>
</div>
);
};
この最後のケースでは、isLoading
が true
になったタイミングで API リクエストを実行し、コンポーネントの状態を更新します。
実装に必要なコードの量は増えますが、コードを読んだときのロジックの把握のしやすさといった、メンテナンス性も考慮すると、useCallback
よりも useEffect
に軍配が上がるかと思います。