たとえば、セキュアに扱いたいユーザーで、そのユーザーで何も考えずに作成したファイルはすべて自分だけがアクセス可能になっていて欲しいと考えたとします。 (ファイルは 600, ディレクトリは 700 が妥当だと考えているとします)
しかし、たとえば touch したりリダイレクトしたりした際のパーミッションは普通 644 や 755 などになっていると思っています。
質問
CentOS において、ユーザーに対して、作成されるファイルのデフォルトのファイルパーミッションは、指定できますか?
たとえば、セキュアに扱いたいユーザーで、そのユーザーで何も考えずに作成したファイルはすべて自分だけがアクセス可能になっていて欲しいと考えたとします。 (ファイルは 600, ディレクトリは 700 が妥当だと考えているとします)
しかし、たとえば touch したりリダイレクトしたりした際のパーミッションは普通 644 や 755 などになっていると思っています。
CentOS において、ユーザーに対して、作成されるファイルのデフォルトのファイルパーミッションは、指定できますか?
回答
umask
でデフォルトのパーミッションを設定できますが、
デフォルトACLが設定されているとumask
よりも優先されます。
ACLの設定はsetfacl
、確認はgetfacl
で行います。
実行例
デフォルトACLを設定していない場合
umask
が有効です。
$ mkdir dir
$ getfacl dir
# file: dir
# owner: XXXX
# group: XXXX
user::rwx
group::rwx
other::r-x
$ umask
0002
$ touch dir/f1
$ ls -l dir/f1
-rw-rw-r-- 1 XXXX XXXX 0 6月 2 17:56 2020 dir/f1
デフォルトACLを設定した場合(rw不許可)
umask
が有効になっていません。
$ setfacl -d -m o::0 dir
$ getfacl dir
# file: dir
# owner: XXXX
# group: XXXX
user::rwx
group::rwx
other::r-x
default:user::rwx
default:group::rwx
default:other::---
$ touch dir/f2
$ ls -l dir/f2
-rw-rw---- 1 XXXX XXXX 0 6月 2 17:58 2020 dir/f2
デフォルトACLを設定した場合(rw許可)
umask
が有効になっていません。
$ setfacl -d -m o::6 dir
$ getfacl dir
# file: dir
# owner: XXXX
# group: XXXX
user::rwx
group::rwx
other::r-x
default:user::rwx
default:group::rwx
default:other::rw-
$ touch dir/f3
$ ls -l dir/f3
-rw-rw-rw- 1 XXXX XXXX 0 6月 2 17:58 2020 dir/f3
umask を自分で少し調べたので、補足として、その情報を記しておきます。
umask は、 linux のプロセスが持っている値で、 open(2)
を O_CREAT
で呼ぶ際に渡される値 mask
とともに、 mask & ~umask
が open
内部で計算され、それがファイル(ディレクトリ)パーミッションになる。(@akira ejiri さんも仰っているように、 acl を指定した場合はその限りではない)
shell のコマンドたちは、基本的に open(2)
の O_CREAT
は、ファイルであるならば 666
, ディレクトリであるならば 777
を mode
に指定している。
umask はプロセスが持っている値であり、 fork の際に子プロセスは基本的にこれを引き継ぐ。
shell コマンドとしての umask は、今の shell プロセスの umask を書き換えるコマンド。
なので、 profile などで umask を指定してやれば、自分が元々やりたかった、「デフォルトで作成するパーミッションの制限」が実現可能。ただし acl をセットしていた場合はその限りではない。
「umask」コマンドを使います。bashであれば内部コマンドになっています。
umaskとだけ打つと、現在のumask値が表示されます。
以下、umaskを変えてファイルやディレクトリを作って、ls -lでパーミッションを確認してみました。
$ umask
0002
$ umask 0002
$ touch file0002
$ mkdir dir0002
$ umask 0077
$ touch file0077
$ mkdir dir0077
$ ls -lA
合計 16
drwxrwxr-x 2 hidezzz hidezzz 4096 6月 2 17:20 dir0002
drwx------ 2 hidezzz hidezzz 4096 6月 2 17:20 dir0077
-rw-rw-r-- 1 hidezzz hidezzz 0 6月 2 17:19 file0002
-rw------- 1 hidezzz hidezzz 0 6月 2 17:20 file0077