RealmはMySQLのようなリレーショナルデータベースではなく、どちらかというオブジェクトデータベースに近いので、あまりリレーショナルデータベースのような設計を適用しようとするとかえって使いにくくなります。
Realmの場合は、スキーマの定義で関連を表現することができるのと、関連を取得するコストは低く、使い方もプロパティにアクセスするのと同様の方法で関連を辿ることができるので、あまり凝った構造にせず、表示に必要なデータ構造をそのまま表現するのがいいです。
モデル定義
なので、スキーマの定義は最初はNote
とTag
だけで十分だと思います。
そして、各Note
にTag
が複数つけることができるので、Note
はTag
の関連としてtags
というプロパティを持ちます。
構造はScuttle法に似たものになります。
そして、Realmは逆方向の参照を定義することができ、これを使うと、あるTag
が付いているNote
を取得することが簡単にできるようになって便利なのでそれも定義します。
ということでモデルは下記のようになります。
変更点
Notedatas_tag
を削除しました
- 名前を
Note
とTag
に変更しました
Note
にtags
プロパティを追加しました
Tag
にnotes
プロパティを追加しました
以下、このモデルを使って説明します。
class Note: Object{
dynamic var objectId = ""
dynamic var userId = ""
dynamic var noteText = ""
dynamic var menuName = ""
dynamic var PhotoPath = ""
dynamic var goaltime: Double = 0
dynamic var timer: Double = 0
let tags = List<Tag>()
override static func primaryKey() -> String{
return "objectId"
}
}
class Tag: Object {
dynamic var id = ""
dynamic var tagname = ""
var notes: [Note] {
return linkingObjects(Note.self, forProperty: "tags")
}
override static func primaryKey() -> String{
return "id"
}
}
データの追加
例えば、参考サイトにあるようなタグを4つ追加します。
let realm = Realm()
let tag1 = Tag()
tag1.id = "1"
tag1.tagname = "CSS"
let tag2 = Tag()
tag2.id = "2"
tag2.tagname = "HTML"
let tag3 = Tag()
tag3.id = "3"
tag3.tagname = "JavaScript"
let tag4 = Tag()
tag4.id = "4"
tag4.tagname = "API"
realm.write { () in
realm.add(tag1)
realm.add(tag2)
realm.add(tag3)
realm.add(tag4)
}
ノートにタグを付けるのは下記のようになります。
例えばnote1
にtag1
を付けるのはnote1.tags.append(tag1)
となります。
タグは複数付けることができます。
let note1 = Note()
note1.objectId = "1"
note1.noteText = "Sample text 1"
note1.tags.append(tag1)
note1.tags.append(tag2)
let note2 = Note()
note2.objectId = "2"
note2.noteText = "Sample text 2"
note2.tags.append(tag2)
note2.tags.append(tag3)
let note3 = Note()
note3.objectId = "3"
note3.noteText = "Sample text 3"
note3.tags.append(tag3)
note3.tags.append(tag4)
realm.write { () in
realm.add(note1)
realm.add(note2)
realm.add(note3)
}
データの取得
例えば、"HTML"のタグが付いているノートを取得する場合は、下記のようにします。
let notesWithHTML = realm.objects(Note).filter("ANY tags.tagname = %@", "HTML")
またタグのインスタンスがあるなら、そこからそのタグが付いているNote
を逆方向の関連を辿って取得することができます。
// 2番目のタグのインスタンスを持っているとすると、
let tag2 = realm.objectForPrimaryKey(Tag, key: "2")
// 逆関連のプロパティから簡単にそのタグが付いているノート全部を取得できる
let notesWithTag2 = tag2.notes
上記のコードで、notesWithHTML
とnotesWithTag2
はまったく同じデータ(objectId = 1
のノートとobjectId = 2
のノート)が取得されます。