「多言語対応前提のアプリ」と、「初期設定のみをまとめて記載したprifix.javaというクラスをつくり、そこから読み出す構造にしたい」というのがいまいち繋がらないのですが、リソースIDとその存在意義について。
string.xml
に定義した文字列リソースは、Resources
を経由してしか取得できません。Activity
がgetString()
で文字列として取得する場合にも、Resources
を経由しています。
Resources
を取得するにはContext
が必要です。Activity
はContext
を継承しているのでgetString()
が使えるわけです。
他にもContext
を継承したクラスはいくつかありますが、アプリケーションが動作している期間と、Application
オブジェクトが存在している期間は等しいので、通常Application
のContext
を用いて、getResources().getString()
で文字列を取得するのが確実だと思います。(短命なContext
継承クラスを利用するとメモリリークの原因になります)
なぜこのような仕組みになっているのでしょうか。
R.string.hello
を、res/values-ja/
ディレクトリのstring.xml
に、
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<resources>
<string name="hello">こんにちは</string>
</resources>
re/values-de
ディレクトリのstring.xml
に、
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<resources>
<string name="hello">Guten Tag</string>
</resources>
を定義した場合に、getString(R.string.hello)
を実行した端末のロケール設定が日本語であれば「こんにちは」を返却し、ドイツ語であれば「Guten Tag」の文字列を返却するのです。
端末の文脈(ここでは所有者のネイティブ言語)を判断するのでContext
なわけです。
このような仕組みを実現するには、R.string.hello
が常に一意でなければなりません。その一意の定数を生成するのがリソースIDです。これはコンパイル時に整数値を生成することで実現されており、値には再現性がありません。
つまり、SharedPreferences
に永続化したとして、その値で再度getString()
をしたとしても、R.string.hello
であるとは限りません。
R.string
の定数から文字を取得するには、Resources
を取得する必要があります。Resources
は端末のコンテキストに応じて返す値を変えたいので、Activity
やApplication
のようなContext
継承クラスを必要とします。
R.string
の定数値がString
ではなくint
なのは、それがリソースを一意に特定するためのIDだからです。
- リソースIDの存在意義は多言語対応です。この値はコンパイル時に生成される再現性のない値です。