話が逆で、一般的にファイヤーウォールと言えば(機器または機能としての)専用デバイスのことを指します。Windows(標準やサードパーティ)のパーソナルファイヤーウォールは相当後発の機能です。Linuxでもiptablesがデフォルトで有効になったのは最近の話です。他のOSでは機能としてはあるもののデフォルトで有効にされてる例は無いかあっても少数だと思います。
Windowsの場合と、Unix系OSの場合では、OSのファイヤーウオール機能の位置づけが異なります。Windowsの場合はどちらかというとクライアントOSとして信頼できないネットワークに接続されたときの防御のための機能です。Unix系OSの場合は、サーバOSとして、
- 直接グローバルなネットワークに接続される場合の防御
- それ自身がゲートウェイとしてファイヤーウォールとなる(今時はないですが)
ための機能です。
サーバ機器の場合、上記の通りOS側の機能は元来「デフォルトで有効」というようなものではないので、適切に保護されているネットワークであれば必ずしも利用する必要はありません。どうしても必要となるシチュエーションとしては、同じネットワークの機器からも特別に通信を制御したいが、わざわざ別ネットワークに切り出すのも大変、という状況ぐらいでしょうか。それ以外は気休め程度です。
逆に、OS側のファイヤーウォールだけでよいか、というのはほとんどの場合NGです。単機能(例えばHTTPのみ)のサーバであればまだしも、複数のサーバがいるシステムではサーバ屋さんのほとんどはまず間違いなくまともな設定はできないでしょう。どのみちゲートウェイとなる機器も必要なので、そこにファイヤーウォールをおいて設定は知識がある人がやった方が絶対に確実です。(この状況でサーバ側をメインで「ミス防止」のためにファイヤーウォールを置く、と考える方が判断ミスです。)