Python標準のrandom
とnumpy.random
は、どちらも擬似乱数を生成するもので、乱数生成器としてメルセンヌツイスタ(Mersenne Twister)を使っています。メルセンヌツイスタは、高速に統計的には問題のない疑似乱数を作成することができます。ただし、線形漸化式によって生成されるため予測可能なので、セキュリティ目的で使用する場合は、secrets
モジュールを使用することが推奨されています。
Python ドキュメント 9.6. random --- 擬似乱数を生成する
Numpy Doc Random sampling (numpy.random)
標準のrandom
もC
言語で作成されているため処理速度の方も変わりません。NumpyやPandasのように配列を使う場合は、numpy.random
の方を使ったほうがnp.random.random(1000)
のように乱数の配列が簡単に作成できるので便利だし、配列の処理は高速です。一方、配列を使わない場合には、わざわざnumpy
をインポートして使う必要もなく標準のrandom
を使えばいいと思います。参考までにJupyterでの処理時間を載せておきます。
%%timeit
a = 0
for i in range(10000):
a += random.random()
1000 loops, best of 3: 1.12 ms per loop
%%timeit
a = 0
for x in np.random.random(10000):
a += x
1000 loops, best of 3: 1.12 ms per loop
なお英語版にはこれと同じような質問 Differences between numpy.random and random.random in Pythonがあり、両者の違いは、numpy.random.seed()
はスレッドセーフではないが、random.random.seed()
の方はスレッドセーフであると書かれていますが、Pythonのドキュメントには以下のように書かれているので、random.random.seed()
も複数のスレッドで使用する場合には注意が必要です。
9.6.6. 再現性について¶
疑似乱数生成器から与えられたシーケンスを再現できると便利なことがあります。シード値を再利用することで、複数のスレッドが実行されていない限り、実行ごとに同じシーケンスが再現できます。