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非常に面白い話題ですね!ちょっと簡単にまとめてみました。参考になれば幸いです。
話は若干逸れますが、そもそも相互参照がつらいって話があるので、その話から。DDD二部 関連の章を読んでいたら理解できると思いますが、双方向の関連は仕様を満たしているか検証する実装コストが高いと思います。
Line line = new Line(id);
Point point = new Point(id);
point.setLineId(line.getId()); // --- (A)
line.addPoint(point); // --- (B)
この場合、(A), (B)は両方の状態が正しく設定されていないといけません。しかし、実際は(A)もしくは(B)の参照の設定を忘れてしまうと、...
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エリックエバンスのドメイン駆動設計(DDD)の文脈で考えると、次のようになると思います。
(1)IDを持たせて、属性は変更されることを想定する
これは、エンティティですね。
DDD では、エンティティを、「参照オブジェクト(Reference Object)」とも呼んでいます。
IDなどの識別情報を手がかりに、なんらかの情報を「参照」する場合の設計は、基本的にエンティティとして設計を検討するのが良いと思います。
この例だと、別のIDだが、同じ色や同じメモを持ってもよいかどうかとか、ユーザが認識するID(識別情報)は、何か。それから、TaskColor 自体を追加したり削除するときのID体系をどうするか、とか、バージョン管理まで必要か ... など、エンティティらしい議論がいろいろでてきそうです。
(2)...
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インターフェースと実装クラスに分ければ良いのではないでしょうか。
ユースケース上必要となるメソッドのみを外部に公開します。
この部分を公開用インターフェースのメソッドとして定義して、
その内部状態(集約に含まれるエンティティやEnum型フィールド等)は公開せず、
この部分は実装クラスのpublicメソッドにします。
外部にはインターフェースを渡せば、キャストしない限り実装クラスのpublicメソッドをうっかり呼び出すという事は起こりません。
public interface Hoge {
//公開したいメソッド
public void xxx();
}
public class HogeImpl implements Hoge {
@Override
...
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クリーンアーキテクチャのルールに疎いせいか、何が制約になっているのかがいまいち掴みきれていませんが、私ならこんな風に設計するということで・・・
まず、Priceを元にRankを決定するのはドメインの知識なので、ドメインモデル化します。
ここではRankPolicyエンティティとしましょう。
RankPolicy
+ calculateRank(price: Price): Rank
RankPolicyRepository
+ get(): RankPolicy
まず先に、RankPolicyRepositoryからRankPolicyを取得しておきます。
そして、ProductFactoryにこのRankPolicyを渡して、ProductFactoryの中からRankPolicy#...
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Rule: Reference Other Aggregates by Identity と言ってますので、リポジトリの中で他の集約を持つことは、このルールに引っかかるということではないでしょうか。より関連性が高まるので一般的にあまり好ましくないと表現しているのではないかと思います。
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下のようなイメージとなります。
public class EntityObject
{
private final int id;
private ValueObject vo;
EntityObject(int id,ValueObject value)
{
this.id=id;
vo = value;
}
void setValue(int a)
{
vo = new ValueObject(a);
}
ValueObject ...
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DDDを実践するに当たって、まず実装の詳細から入りすぎているように思います。DDDでは、設計や実装の詳細よりまず「ユビキタス言語」を語ってみることが大事です。
「DBの停止状態」という状況に対して、ビジネスドメインのユビキタス言語はどういったことを語るのでしょうか? DBが停止するということは、ドメインで行われている行為に何らかの影響が出るはずですが、その影響をユビキタス言語はどう語るのでしょうか?
DBの停止はユビキタス言語の中では全く予期していない出来事で、そのときの振る舞いは完全に未定義でしょうか? だとしたら、それはドメインの関心事ではないので、インフラ層でチェックしてシステムエラーをアプリケーション層に投げればいいでしょう。
もしユビキタス言語がその状況について語る何らかの言葉を持っているなら、...
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DBの例外等をどのレイヤーで扱うのかは、アプリケーションのポリシーにもよりますが、少なくともドメインレイヤーのリポジトリで直接管理することはないでしょう。何らかのユースケースにおいて管理されることになると思います。このユースケースがどのレイヤーに属するものなのかは、ここでは問いません。
データベースの状態については、おそらくアプリケーション全体にわたって共通した振る舞いが必要になると思います。質問に書かれているような個々のコントローラに条件分岐を書くアプローチ以外に、さまざまな選択肢があります。
横断的関心事としてAOPで実装する (参考 Ray.Aop)
テンプレートメソッド(デザインパターン)を基底クラスに用意して使う
フレームワークのコントローラ実行フローに組み込む
質問に書かれているコードのように、...
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集約について、きちんと整理したほうが良いと思いました。
LineとPointを異なる集約として設計するのか、Line 集約の内部のモデル(Pointは値オブジェクトで十分と思われる)としてPointを実装するのかによって、設計方針が大きく異なります。
判断の基準
複数のPointを同一トランザクションで一貫性を持って変更する必要がある場合は、Line集約の内部モデルとしてPointを実装するのが良いです。その場合、PointにはLineを介してしか触ることはできません。
同一トランザクションでの一貫性が必要ない場合は、LineとPointを別の集約として実装することで、Line集約のインスタンスが肥大化することを防ぐことが出来ます。
この辺りの詳細は、Implementing Domain Driven ...
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ほぼ今出ている回答で十分かつ、重複もあるとは思いますが、私の意見も。
DBレコードからドメインモデルを完全に構築するのがコスト面で現実的でない場合、どのように実装すべきでしょうか?
皆さんはこういったケースではどのように実装されていますか?
私であれば
前提としてそもそも本当に相互参照が必要なのかを検討。そして複雑さを回避する為、原則相互参照は採用しない。
Line > Point の一方向で関連を制限したという前提で
2-1. 一方向であれば性能上の問題にならない場合、Line の Repository 内ですべての Point を取得する
2-2. 性能上の問題になりえる場合は、キャッシュの検討、または限定的に採用するにはあまり美しくはないが CQRS の様なアプローチで Query として、...
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Junya さんの回答に賛成です。
識別子を備え属性を持っている TaskColor はエンティティとしか言いようがないですね。その属性である「色」と「意味」は値です。TaskColor の属性値が Task にコピーされるからといって、TaskColorが値になるわけではありません。
商品の属性値である「価格」が注文書にコピーされたからといって、商品がエンティティでなくなるわけではないですよね。同じことと思います。
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TaskColor に変更を許している以上、(1)(2) 両方ともTaskColorはEntityで良いと思います。
(1) の場合は、Task は素直に TaskColor のIDを属性として持てば良いです。
(2) の場合は、TaskColorValue という値オブジェクトがあって、Task も TaskColor も、TaskColorValue を属性として持っている感じです。そのとき、TaskColor は「今現在利用できる色」を表現したモデルになり、その「色」を表現したものが TaskColorValue となります。
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集約の中のルート以外のエンティティもローカルな同一性は持ちますから、ルートの同一性と組み合わせれば、グローバルにも同一性を持っていると言える筈です(データモデル流に言えば複合主キーを持つ)。
ですから、問題は、グローバルな同一性があるかどうかではなく、集約の外部のエンティティがそのエンティティへの参照を保持して良いか、ということだろうと思います。
その答えが、(DDD本 p.127によれば)集約ルートについては YES、以外の集約内部エンティティについては NO となるようです(個人的には、このような設計指針の妥当性には疑問を感じますが、それはそれとして)。
以上からすれば、ご指摘の例では、他のサービス契約者に属するプロジェクトへの参照を保持するニーズが無いならば(無いと思いますが)、...
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エンティティの識別子は、複合IDでも良いと思います。
具体的には、以下のように ProjectId を値オブジェクトとして定義できます。(Python の場合)
class ProjectId(ValueObject):
def __init__(self, tenant_id, sub_id):
self.tenant_id = tenant_id
self.sub_id = sub_id
def __str__(self):
u""" 文字列表現 """
return "{}_{}".format(self.tenant_id, self.sub_id)
class Project(Entity):
def ...
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・ドメインオブジェクトは、業務上の判断/加工/計算のロジックだけを持つ
・業務上の記録/参照の関心事(永続化の関心事)は、アプリケーション層が担当する
そういう役割分担にしたほうが、業務ロジックの整理がやりやすいと思います。
永続化は、処理のタイミングや処理の順番に依存しやすくなります。ドメイン層には、そういう手続き的な依存性を持ち込まないほうが、ドメインオブジェクトに記述する業務ロジックをわかりやすく保つことができると思います。
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書籍 エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計の"値オブジェクト(VALUE OBJECTS)"節 p.97 では次のように書かれています:
値オブジェクトは、しばしば、オブジェクト間のメッセージでパラメータとして渡される。一過性のことも多く、操作のために生成されては破棄される。また、エンティティ(および他の値オブジェクト)の属性としても使用される。
"application serviceから直接呼ぶだけ"というのがどういうことを指しているのかが私には明確に捉えられていませんが、値オブジェクトが必ず何らかのエンティティと関連しているべきか、という点については、Noで、特にそのような制約は設けられていません。
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クリーンアーキテクチャやヘキサゴナルアーキテクチャのような、ドメインモデルが外部の技術要素に依存しない設計方針を選んだ場合(大抵はそうだと思いますが)、ドメインモデルは自身がどのような形で永続化されるか、関知しません。
従って、1つのエンティティを同じ構造のテーブルに入れようが、複数テーブルに分けようが、構わないわけです。
むしろ、ドメインモデルからの依存が無いからこそ、性能などを考慮した自由なテーブル設計が可能と言えます。
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EvansのDDDにおけるリポジトリとファクトリの役割については、DDD本のRepositoriesパターンおよびFactoriesパターンに実はしっかり明記されています。
リポジトリとファクトリは、それ自体はドメインに由来しないが、ドメイン設計においては意味のある役割を持っている。これらの構成概念は、モデルオブジェクトを操作できるようにすることで、モデル駆動設計を完成させるものなのだ。
つまり、ドメインオブジェクトの生成と永続化というのは、「ドメインモデル」の一部ではないけれど、「ドメイン設計」の重要な一部だ、ということです。昨今のDDD論者の中であんまりここをしっかり強調して説明している人は少ないように見えますが、Evansは、DDDにおいて「ドメインモデル」と「ドメイン設計」...
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全然ありです。
1つの値とか、複数の値とかは、ValueObject(値オブジェクト)の定義上、関係ないです。
よくある例:
「姓」と「名」の2つのフィールドから構成される「氏名」値オブジェクト
「郵便番号」「都道府県名」「市区町村名」などの複数のフィールドから構成される「住所」値オブジェクト
なお、エンティティなのか値オブジェクトなのかは、構成要素が単一か複数かではなく、目的によります。
「住所」がいつも値オブジェクトだとは限りません。
多分、普通の通販サイトでは、住所は値オブジェクトでしょう。
きっと「ユーザ」エンティティの一構成要素ですね。
住所オブジェクト同士の同一性は関心事になりません。
ある家の夫と妻がそれぞれ注文したとして、その住所が同じであるかどうか、通販サイトの業務には関係ないので。
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クラス設計の問題ではなくって、一般的に java のコードに置いてどうやって spec (仕様) プロジェクトと impl プロジェクトを分離・ビルドするべきなのか問題なのではないか、と考えています。
一般的に、 spec プロジェクトと impl プロジェクトを分離して、各 impl プロジェクトはその他の spec プロジェクトにのみ依存するようにします。すると、 spec クラスのもののみがその他の場所から利用されます。そして、各 impl クラスは別々にビルドします。C言語で言う所のヘッダとソースの関係が近いと思います。
実際に動作するもの (war とか) を作る時には、別々にビルドしていたこいつらをおまとめするようなビルドを用意します。
(2016/10/22)
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@mok2pok さんが、とてもいい回答を記述してくださっていますが、
一見しただけだと理解できなかったので、自分が調べた補足情報を。
CQRS とは Command and Query Responsibility Segregation パターンであり、アーキテクチャ的なデザインパターンのひとつ。
参照: https://msdn.microsoft.com/en-us/library/dn568103.aspx
コマンド(更新系の処理)とクエリ(参照系の処理)のモデルを分離するすることによって、モデルが読み込み・書き込みの両方を考慮しなければならない場合に発生する複雑さを回避しよう、という試みです。
DDD と併用される場合には、 @mok2pok さんのおっしゃるとおり、...
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「データを見る」というユースケースからは、ドメインの振る舞いがあまり出てこないので、恐らくこれを題材にすると、質問者さんのように行き詰まってしまうと思います。
「DDD CQRS」といったキーワードでぐぐってみると分かりますが、ドメインモデルが威力を発揮するのは更新系の処理です。
プロフィールはユーザーの登録情報だけで成り立っているものではなく、投稿した写真にも関係があります。
なのでプロフィールはユーザーエンティティをルートとした集約だと考えます。
プロフィール画像ならまだしも、写真共有サイトにおける投稿写真は、プロフィールとは異なる集約にすべきです。
集約とは整合性を保たなければならない境界、トランザクション境界です。
プロフィールと投稿写真のトランザクション境界は、異なるものだと思います。
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同じくAndroidの設計や開発をしています。
あまり参考にならないかもしれませんが、同じような疑問をもったことがあったので、
考えをシェアさせてください。
私は、UseCaseより下層でObservableを使ったこともあり、あえて使わなかったこともあります。
まず初めに下層で使った理由ですが、
yuki312さんが書かれている(2)の理由、特にエラー処理によるところが大きい。
チーム全体的にRxJavaの経験が少ないので、勉強のためにあえて。
次に、質問されている内容ではありませんが、
下層であえて使わなかった理由は、
RxJavaがdeprecatedになった場合に、代替手段に切り替える手間が大きくなりそうだから。
ドメインロジックが入るDomain層にRxJavaの知識が入るのはやめたかった。
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Swift については詳しくありませんが、ドメイン層はインタフェースを規定する場所なので、 GitHubStream や UserNotification のインタフェースを提供する Protocol をドメイン層で提供するのが良いのではないでしょうか。そうすれば、アプリケーション層から利用される Protocol が明確になりますし、インフラ層の GitHubStream では Protocol 要件を満たすことに専念してコードを書くことが出来ます。また、GitHubStream 互換のテスト用のモックを提供したり、GitHubStream の代わりに BitbucketStream を書いたり、将来 GitHub の API 仕様が変わった場合に Protocol ...
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エバンスのドメイン駆動設計で書いてある「グローバルな同一性」というのは、「グローバルなID」とは等価ではないと思いますよ。
ある実体(エンティティ)が同じものであることを識別する時に、オブジェクトのIDやデータベースの主キーの議論と、「人がどう判断するか」の議論はいったんは分けて考えたほうが良いです。
ドメイン駆動設計の文脈で言えば、「同一性」の議論で大切なのは、利用者が、どんな情報を判断材料として、同じプロジェクトと別のプロジェクトを認識するか、です。
あるサービス契約者(とのそのサービスの利用者)が、自分が見えるすべてのプロジェクトの範囲で、プロジェクト名で判断できるなら、同一性のキーとなる情報はプロジェクト名です。
サービスの運営者(とシステムの開発者)から見れば、理屈の上では、...
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こんにちは。
ここからが本題なのですが、もしこのアプリケーションをクラウドサービス化したとしたらどうなるでしょうか。
「プロジェクト集約」とか「人員集約」とかは、サービスの契約者ごとに管理されなければなりません。
つまり、「サービス契約者ID」と「プロジェクトID」が揃わなければ、「プロジェクト」が特定できません。
ここに答えがでていますね。答えは要件次第ですね。要件によって構築されるユビキタス言語の世界観によってドメインモデルはいくらでも選択肢があります。いきなりドメインモデルを考えるまえにそのモデルが使われる目的や意図について考えたほうがよいですね。DDDにも声に出してモデリングするという話が出てきますが、ユーザストーリのような文章にして5W1Hを明確にしてみるとよいかもしれません。
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こんにちは。
masuda220さんのおっしゃるとおりですが、私も回答を書いてみようと思います。
ストーリ的にはこんな感じですかね?
ユーザは、タスクを作成できる
タスクには名前、説明、 色 を指定できる
ユーザは、ユーザIDを指定して、複数のタスクを取得できる
ユーザは、タスクIDを指定して、タスクを取得できる
ユーザは、タスクIDを指定して、タスクを更新できる
ユーザは、タスクIDを指定して、タスクを破棄できる
色 をエンティティにするか、値オブジェクトにするか?ですかね。
おっしゃるように色をタスクに従属するただの値と見るか、たとえば同じ赤色であってもこの赤色と、あの赤色は違うと見分けるのであれば、エンティティになる可能性がありますね。
(1)はエンティティですね。
以下は、...
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Line が、points を保持する集約ルートとなるドメインであるならば、そのライフサイクルにおいて points を復元せずに機能するフェーズはごく短いと思われます。ただし懸念されているように points が非常に多い場合は性能上の考慮が必要です。
「間引いた情報だけで機能が提供できるなら必要な points のみ復元する」「隣り合う point 間の距離の総和を求めるような場合は DB に集計用クエリを発行してスカラー値として取得する」など、全ポイント復元を極力避けるようにすべきかと。
ドメインモデルって、対象ドメインを周辺的な処理から隔離してなるべくピュアに表現しようとする試みなので、データアクセスはリポジトリの責務として簡潔なメソッドを提供するのがよいです。DB セッションの問題についても、...
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おお、DDDの質問だ。蛇足ながらちょっと、コメントを加えてみようと思います。
Lineは、直線なので、Pointで表すとすると2つのPointが必要ですね。
Pointが3つ以上の複数で、同一直線上にないとすると(PointはListなので順序がありますね)、
LinerApproximation(近似直線)
Polygonal Chain(折れ線)
のどちらかでしょうか?そのあたりをモデルで記述できているとよいですね(名前はとっても大事です)。
そこで、DDDで大事なのは、そこでどういう振る舞いを期待しようとするかです。
近似直線の相関値を計算したいのか?
折れ線の状態を確かめたいのか(交差がないかとか、閉じてるかどうかとか)?
そこでの振る舞いに合わせて、適切な表現方法を探すことになります。
...
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