> RubyのcloneとdupとActiveRecordのcloneとdupは別物なのでしょうか? 同じものです。`Method#owner` でメソッドが定義されたクラスが得られますが、下記のいずれも `true` になります。 Piyo.new.method(:clone).owner == Object.method(:clone).owner` Piyo.new.method(:dup).owner == Object.method(:dup).owner` ただし、`clone` の場合は `initialize_clone`、`dup` の場合は `initialize_dup` メソッドが呼ばれます (参考: [initialize_clone, initialize_dup and initialize_copy in Ruby: Jon Leighton][1])。 ActiveRecord の場合、`ActiveRecord::Core#initialize_dup` が定義されていますので、`dup` の挙動はここで変化しています。 > 違うとした場合、具体的にどのように違うのでしょうか? ## Object#dup, clone Object の dup, clone はインスタンス変数をコピーしますが、これは浅いコピーであり、同じオブジェクトを参照します。 例では `h.name = "name"` とした時点で、`@name` が異なるオブジェクトを参照するので、`hc` に変更を加えても、影響がありません。 しかし、浅いコピーなので、同じオブジェクトを参照している状態で、そのオブジェクトに変更を加えると、両者に変更が及びます。 h = Hoge.new h.name = "name" hc = h.clone hc.name.upcase! h.name #=> "NAME" ## ActiveRecord::Base#clone ActiveRecord::Base の clone は Object の clone と同じです。 ただし、ActiveRecord::Base では属性を 1 つの Hash に入れて、インスタンス変数に保持しています。 clone した場合は、同じ Hash を参照することになるので、属性の変更が clone 元にも及びます。上記の **同じオブジェクトを参照している状態で、そのオブジェクトに変更を加える** ケースに該当します。 ## ActiveRecord::Base#dup ActiveRecord の dup は initialize_dup が定義されているので、そこに違いが現れます。 https://github.com/rails/rails/blob/master/activerecord/lib/active_record/core.rb#L382 を見ると、`@attributes.deep_dup` で属性の深いコピーを作成したり、主キーを nil にする処理が含まれています。 これにより、dup 元・dup 先は異なる Hash を参照することになるので、片方の変更がもう一方に影響しなくなります。 > If you need a copy of your attributes hash, please use the #dup method.と書いてあるのは深いコピーのことでしょうか?(Rubyのdupは浅いコピーなので別物になっている) 上記のように `dup` は `deep_dup` メソッドにより、属性の深いコピーが作成されます。 `deep_dup` の実装は https://github.com/rails/rails/blob/efff6c1fd4b9e2e4c9f705a45879373cb34a5b0e/activesupport/lib/active_support/core_ext/object/deep_dup.rb です。 [1]: http://www.jonathanleighton.com/articles/2011/initialize_clone-initialize_dup-and-initialize_copy-in-ruby/