言語によって定義が微妙に違ってくると思いますと前置きを入れておきます。 # スカラー `スカラー`とは`単一の値`のことを示しています。 `単一の値`ということは`複合的なデータ`ではないということです。 つまり、プログラマーにとってわかりやすい単語を使うなら、複数のデータを扱う`配列`や`ハッシュ`は`スカラー`ではありません。 私が`スカラー`というものを最も意識したPerlでは`scalar`の頭文字の`S`をからヒントを得て、スカラー値は`$`で始まる変数に代入します(`配列`は`@`, `ハッシュ`は`%`)。 これは、**Perlの仕様**です。慣習的にこうするというようなことではありません。 `$c`という変数を見ればスカラー値が入っているとわかります。余談ですがPerlでは`配列の参照`は`参照という単一の値`という考えでやはりスカラー値です。 とにかく`単一の値`を示しているので、話者間でこのデータは単一の値だと認識していれば`スカラー`で会話が通じると思います。 # プリミティブ 私の理解では、`言語に元々備わっているデータ構造`という意味で理解しています。 なのでPerlは`単一のデータを表すデータ構造`である`スカラー`を言語が元々備えているのでPerlにとって`スカラー`は`プリミティブ`であるといえます(わざわざこういう表現をしている例は余り見ないですが)。 ここで混乱しやすいのがJavaです。 Javaでは、`int`のことを`プリミティブ型`と呼んでいます。そして`クラス`である`Integer`は`プリミティブ型`ではありません。 (`Integer`もJava言語が元々備えている機能と考えて`プリミティブ型`なのではないのかと私も混乱していた時期がありますが、Javaでは`int`と`Integer`のデータの違いを示すために`プリミティブ`という単語が使われています) Javaでは基本的に`Integer`は参照として扱うので、本には`プリミティブ`という単語と`参照`という単語が近くに載っていたりして混乱してしまうかもしれないですね。