現象として、日本語のファイルを読んだらNull文字でパディングされたように見えているだけで、実際に起きていることは違います。 ### make-string `make-string`は指定した長さの文字列を作りますが、初期値は処理系によって違います。 SBCLの場合は、Null文字であった、というだけです。 (make-string 10) ;=> "^@^@^@^@^@^@^@^@^@^@" ### read-sequence `read-sequence`は、用意されたシーケンス(文字列もシーケンス)に読み込んだものを植え付けます。 この2つが合さって、Null文字でパディングされているように見えた、ということになります。 日本語かどうかと、何でパディングされるか、は無関係ということになります。 (with-open-file (s "/tmp/j.txt" :direction :input) (let ((buf (make-string (file-length s) :initial-element #\Space))); 初期値に空白を与えた場合 (read-sequence buf s) buf)) ;=> "日本語で書かれた文章 " ## 日本語のテキストを読み込むには 日本語のテキストを読み書きするのに、オクテットに変換することはまず無く、大抵は、単にエンコーディングを合わせて`read-line`するだけです。 (with-open-file (s "test.txt" :direction :input :external-format :utf-8) (let ((buf (read-line s))) buf)) ;=> "日本語で書かれた文章" なお、複数行の場合はファイル終端まで繰り返します。 (with-open-file (s "test.txt" :direction :input :external-format :utf-8) (loop :for line := (read-line s nil) :while line :collect line)) ;=> ("日本語で書かれた文章") もしくは read-sequence で一気に読み込みます (with-open-file (s "/tmp/j.txt" :direction :input :element-type '(unsigned-byte 8) :external-format :utf-8) (let ((buf (make-array (file-length s) :element-type '(unsigned-byte 8)))) (read-sequence buf s) (sb-ext:octets-to-string buf :external-format :utf-8))) ;=> "日本語で書かれた文章 ; "