まず、参照渡し、値渡しと分けて考えなくても良いのではないでしょうか。
考えると混乱するだけです。
ほとんどのプログラミング言語での関数呼び出しに対する、私の理解は、
「全て値渡しをする。」
であり、Javascript 言語について特別なことは、
「変数自体のアドレス値を扱う指定がない」
という特徴があるだけです。この理解の仕方で納得できるでしょうか?
Javascript では、オブジェクトを引数として関数が呼び出される時に、実際はオブジェクトを指し示すアドレス値が渡されることになります。変数(入れ物)のアドレス値を渡すような指定はできません。プリミティブ型(文字以外)の場合でも、変数の中身が渡されます。これも変数自体のアドレス値を渡すことになる指定はできません。「変数にオブジェクトが入っている」とは実質オブジェクトを指すアドレス値が入っているとみなせ、関数にオブジェクトを渡すとは、オブジェクトを指すアドレス値を渡すことと言えます。くどいようですが変数を渡すことではありません。
混乱の原因は言語によって、「XXX 渡し」の言葉の意味するところが変わることです。参照渡し、共有渡しなどの言葉は、それぞれのプログラミング言語での記述の概念を理解しやすくするための言い回しと考える程度でよく、世の中には、値しかない、と割り切ったほうが理解がしやすいかと考えます。 (共有が参照渡しと違うのは、アドレス値が複製される、ということだけでしょうか、そこがもやもやします。)
※文字(string)型はオブジェクトと同じように扱われます。
※ここではポインタに相当するものをアドレス値と呼んでいます。(メモリ上のアドレスの値そのままということではない)
例えばProperty Accessorsの仕様で 「Return a value of type Reference whose base
value is bv」
というのは、作成されるReferenceのbaseにbvそのものを格納する→bvをデータとして複製して格納ではなく、その存在そのものを格納→実際は参照(ポインタ)に当たるものが格納されるイメージ、というニュアンスなのでしょうか?
原文からは、「複製」や「作成」や「格納」という言葉がどこをさすのかは読み取れませんでした。私は Javascript を使ってメタに書けば以下のような感じで理解しました。
return Reference({
base_value : by, // MemberExpression からの値
referenced_name : nameValue, // IdentifierReference からの値
strict_reference : true, // true か false
})