6 / 9
本文に 132 文字追加
fumiyas
  • 2,861
  • 11
  • 21

メールボックスのパス名から推測すると、MDA (Mail Delivery Agent。メールボックスへメールメッセージを配送するサービス) として Postfix の virtual(8) を利用していると見受けられます。以下、その前提で。

Postfix virtual(8) に設定したメールボックスの場所と、MRA (Mail Retrieval Agent。メーラーに対してメールボックスへのアクセスを提供するサービス) である Dovecot POP3 サーバーに設定したメールボックスの場所が食い違っているためだと思われます。

以下のいずれかの対処が必要です。

  • Postfix の設定を変更し、MDA として Dovecot の lmtp (LMTP サービス) あるいは dovecot-lda(1) を利用するようにする。
  • Dovecot の設定を変更し、メールボックスの場所を Postfix の virtual(8) に設定した場所に合わせる。

個人的には、前者の「MDA として Dovecot を利用する」ほうがお勧めです。こちらであれば、Postfix 側にメールボックスの場所を設定する必要がありませんし、Dovecot MDA 独自の機能 (quota, sieve など) を利用できるからです。


以下は Dovecot + LDAP において、ユーザーのメールボックスに関する設定を行なう一例です。ご参考までに。(dovecot.conf や相当するファイルの設定と組合せる構成もありますが、それには触れません)

Dovecot のユーザーの各種属性を LDAP サーバーのユーザーエントリあるいは dovecot-ldap.conf.ext (あるいは相当するファイル) で設定しているのであれば、そのファイル中の user_attrs パラメーターを適宜調整する必要があります。もし userdb { driver=prefetch } を利用しているなら pass_attrs パラメーターも要調整。

例えば、すべてのユーザーの UID と GID が mailadmin、ユーザーエントリの uid 属性がユーザー名を保持している、メールボックスは maildir 形式で場所が /var/vmail/<uid属性の値>/Maildir であるなら、次のような記述になります。これはあくまで例ですので、ほかにも LDAP ユーザーエントリの属性 → Dovecot ユーザーの属性にマッピングしたい値があるなら、適宜調整してください)

user_attrs = \
  =uid=mailadmin, \
  =gid=mailadmin, \
  uid=mail=maildir:/var/vmail/%$/Maildir

詳細は Dovecot の Wiki をどうぞ。このあたり↓かな?

UID / GID の値(数値)によっては、dovecot.conffirst_valid_uidlast_valid_uidfirst_valid_gidlast_valid_gid パラメーターの値を調整する必要があるかもしれません。適宜調整してください。Dovecot の全ユーザーの UID / GID の名前がどちらも mailadmin で、その UID 値 / GID 値がどちらも 1000 の場合:

first_valid_uid = 1000
last_valid_uid = 1000
first_valid_gid = 1000
last_valid_gid = 1000

Dovecot でユーザーのメールボックス形式や場所を調べるには doveadm(1) を利用します。これで設定を確認しましょう。

# doveadm user foobar
field   value
user    foobar
uid     8
gid     12
home    /var/mail/example.ac.jp/foobar
mail    maildir:~/Maildir
quota_rule      *:bytes=0M
fumiyas
  • 2,861
  • 11
  • 21