2

背景

試して理解 Linuxの仕組み」という書籍の3章を読んでいます。

質問

以下のコードで、execve関数を実行しています。

static void child()
{
    char *args[] = { "/bin/echo", "hello" , NULL};
    printf("I'm child! my pid is %d.\n", getpid());
    fflush(stdout);
    execve("/bin/echo", args, NULL);
    err(EXIT_FAILURE, "exec() failed");
}

https://github.com/satoru-takeuchi/linux-in-practice/blob/faf52235402e10461a667a6c46cd60b87c2c3303/03-process-management/fork-and-exec.c#L6-L13

execve関数に渡すargsの先頭要素は/bin/echoです。第1引数には/bin/echoを指定しているのに、なぜargsの先頭要素にも/bin/echoを指定しているのでしょうか?

マニュアルを眺めてみましたが、よく分かりませんでした。

2 件の回答 2

5

UNIX () の世界において argv[0] は起動されたプログラムのファイル名ということになっています。一方で hardlink/symlink という機能によって、1つのファイル本体に複数の名前を付けることができるようになっています。例えばウチの hpux11.11 では viex というコマンドは同一のファイル(の別名)となっています。

$ ls -li /usr/bin/ex /usr/bin/vi
8882 -r-x-r-xr-t 6 bin bin 249856 1月 18   2008 /usr/bin/ex
8882 -r-x-r-xr-t 6 bin bin 249856 1月 18   2008 /usr/bin/vi
$

vi として起動したいのか ex として起動したいのかを argv[0] で指定することができるわけです。

別のプラットフォームでの典型例は busybox で、実際の挙動は argv[0] で決まることになります。 組み込み Linux で際立つ busybox の魅力

提示例はこういうのと関係ない例で、なので argv[0] はごく普通にファイル名と同一のものを(二重に)指定しているわけです。


これだけだとわかりにくい?かも、と思ったので未検証のコードを追記
# 期待通りに動かないかもしれないけどその場合は勘弁してちょ
# C++ の人は適切に const ないしは 非 const 化が必要かもしれない

char *args[] = { "ls", NULL};
execve("/bin/busybox", args, NULL); // だと ls として動作

ほぼ同等だけど

char *args[] = { "cat", "/etc/passwd", NULL};
execve("/bin/busybox", args, NULL); // だと cat として動作
3
  • >例えばウチの hpux11.11 では vi と ex というコマンドは同一のファイル(の別名)となっています。 「同一のファイルとなっている」のはどこで判断すればよいですか?"8882"というinodeが同じだから、同じファイルなのでしょうか?
    – yuji38kwmt
    2022年7月11日 2:12
  • オイラのこの例においては Yes (inode である 8882 が同一だから) 厳密には inode はデバイスごとに作られるので st_inost_dev が等しいという判断になるでしょう。
    – 774RR
    2022年7月11日 2:27
  • ありがとうございます。 補足: st_ino, st_devについて知らなかったので、以下のサイトで理解しました。 linuxjm.osdn.jp/html/LDP_man-pages/man2/stat.2.html
    – yuji38kwmt
    2022年7月11日 2:45
0

execveの最初の"/bin/echo"は実行するプログラムの名称(パス)です。
argsはそのプログラムに渡す引数ですので、意味が違いますが、
argsの最初の引数には、実行するプログラムが入ります。
なので、このようになっています。

この質問に回答するには、ログインする必要があります。

求めていた回答ではありませんか? のタグが付いた他の質問を参照する。