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POSIX.1-2017では、ロケールに対してLC_CTYPEを含む6つのカテゴリが定められています。

一方、LC_ADDRESS等がglibcによって拡張されたようです。(何故かglibcマニュアルには載ってませんが)

ここで、ロケール定義ファイルを見ていると、LC_CTYPEの中でtranslit_startなどのキーワードを見かけます。これはPOSIX.1では規定されていませんが、先のLinuxマニュアルには載っています。そして、glibc拡張であるとは記載されていません。

Linuxマニュアルの末尾にはこうあります。

CONFORMING TO
POSIX.2.

しかし、POSIX.2について調べてみると、POSIX初版の1つであり、内容的にもロケールとは関係なく、その後POSIX.1に統合されているように見えます。

以上から、タイトルの質問になります。
POSIXロケール LC_CTYPEカテゴリのtranslit_startなどはどこから来たのでしょうか?

2 件の回答 2

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@yohjp さんの回答を受けて、更に調査してみて、以下の結論になりました。

JTC1/SC22/WG20によるi18nの検討は95年から始まっていたと見られる。この頃からtranslit_startキーワードが使われ、それがglibcに取り込まれた可能性が高い。
これらの活動結果はTR 14652として公表されたものの、translit_startではなくLC_XLITERATEカテゴリを定義した。また、標準化には至らず、2004年に解散した。

その後、i18nの活動はJTC1/SC35/WG5によって行われ、2014年にISO/IEC 30112として標準化された。2014年のドラフトではtranslit_startが定義されている。LC_XLITERATEカテゴリも消えてはいないが、Annex Eにあるように、glibcはこれをサポートしていない。
2018年に規格の改定が行われたが、2018年のドラフトでも状況は変わっていない。

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断定的な回答はできないのですが、調べた限りでは JTC1/SC22/WG20 Internationalization によるI18N仕様検討が起源の可能性が高いです。

translit_startへの言及は下記WG20文書でヒットします。

前者によると ISO/IEC 14652 Specification method for cultural conventions で定義されていそうですが、2002-08-12付けのFinal Textでは直接的に見つけられませでした。WG20では ISO/IEC 15435 - Internationalization APIs の策定を目指していたもの、最終ステータスは不明です(少なくともISO/IECサイト上で存在確認できません)。

なお glibc への変更コミットは 1999-08-31 に行われていました。
https://github.com/bminor/glibc/commit/4b10dd6c1959577f57850ca427a94fe22b9f3299

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    回答ありがとうございます。いくつかのことがわかりました。 まず、ISO/IEC 14652ですが、たしかにtranslit_startというキーワード自体はありませんが、Final Textの4.9節でtransliterationの概念は提唱されているようです。ここではLC_XLITERATEカテゴリを検討していたようですが、controversialとあるのでこれで決まりとはならなかった(実際そうなっていない)ようですね。 また、Annex Aでは"Differences from the ISO/IEC 9945-2 standard"とあり、ISO/IEC 9945-2とはまさにPOSIX.2のことなので、"Conforming to POSIX.2"の意味がわかりました。 ISO/IEC 15435は最終的には撤回されたようです。 open-std.org/jtc1/sc22/wg20/docs/W-SD3.htm "withdrawn" とあります。 glibcへの変更は1999年とのことですが、1998年にはtranslit_startというキーワードが登場していた。しかし2002年のFinal Textでは定義されていない。なかなか難しいですね。
    – quasar
    2022年5月13日 14:39

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