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マイクロサービスに関する資料をよんでいるとマイクロサービス間のデータ一貫性に関して以下のように書いてありました。

これらの一貫性のなくなる事象への対処法として、結果整合性というモデルでデータベースを動かす方法があります。

しかし調べると結果整合性については以下のように書かれています。

https://izumisy.work/entry/2018/06/11/224719

結果整合性 はデータの更新でデータベースがロックされることはないため、可用性とスケーラビリティを維持することができる。その代わりノード間でのデータの一貫性はデータ複製にかかる時間に依存することになるため、必ずしも担保されない。

結果整合性は最新じゃないデータを取得するかもしれないということで一貫性がなく、一貫性のなくなる事象への対処法になっていないと思いましたが結果整合性で一貫性の保証になっているんでしょうか?
結果整合性が一貫性の保証になっていないとすると、一貫性を保証してるモデルも知りたいです。

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  • どのタグをつければいいかわからなかったのでgoogleクラウドをつけてしまいましたがもし他にあれば教えてくださるとうれしいです 2022年1月10日 4:11

1 件の回答 1

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結果整合性が一貫性の保証になっていないとすると、一貫性を保証してるモデルも知りたいです

結果整合性に対して、常にデータ一貫性を保証するのは強整合性モデルと言います。

これらの一貫性のなくなる事象への対処法として、結果整合性というモデルでデータベースを動かす方法があります。

この部分がよくわからなかったのですが、データ一貫性を重視し強整合性モデルを選択した場合、各サービスへのデータ更新は同期処理にする必要があります。分散されたノードに対して同期で更新した場合、すべてのノードの更新処理が完了するまで待機することになるので、パフォーマンスが犠牲になります。

これに対して、各サービスのデータ更新を非同期にした場合、すべてのノードへの更新完了を待つ必要がなくなるので、パフォーマンスが向上します。これが結果整合性モデルで「結果的には分散ノード間のデータ整合性がとれた状態になる」、言いかえると「一時的にノード間のデータは不整合な状態になる」になるというものです。これは非同期更新の採用により生じるデメリットです。

まとめると、データ整合性とパフォーマンスのトレードオフを考慮し、結果整合性モデルと強整合性モデルのどちらかを選択することになるのです。一般的には、マイクロサービスアーキテクチャのような分散型データベースであれば、結果整合性モデルが採用されることが多いです(サービス同士が離れているので、同期処理にするとパフォーマンス要件を満たせないため)。

この話は、マイクロサービスに限らず分散データベースであれば、必ず出てくるテーマです。例えばDNSは、自分の管理するDNSサーバーのゾーンレコードを編集しても、すぐに世界中にDNSサーバーに反映されるわけではありません(一時的なデータ不整合の状態)。これはDNSが分散データベースであり、結果整合性モデルであるから、とみなすことができます。

追記です。

これらの一貫性のなくなる事象への対処法として、結果整合性というモデルでデータベースを動かす方法があります。

この部分は逆です。一貫性を重視するなら、結果整合性モデルではなく強整合性モデルを採用することになります。

追記その2。

マイクロサービスの場合、可用性の向上を目的として結果整合性モデルが採用されることがあります。

強整合性モデルの場合、更新は同期処理になるので、更新先サービスの死活に依存します。このためサービス同士の独立性が損なわれ、マイクロサービスのメリットを充分に生かせません。この問題を解決するため、サービス間のデータ連携にキューやストレージサービスを採用することがあります。

  • サービスA: データ更新を依頼する
  • サービスB: データを更新する

とすると、更新処理は、

  • サービスA→キュー(またはストレージサービス)にデータを登録
  • サービスB→キューからデータを取り出し更新

となります。

このようなアーキテクチャを採用すると、キューがバッファとして機能するので、サービスBの死活や処理状況を気にすることなく、サービスAは更新を依頼できるようになり、その結果サービス同士の独立性が高まります。

これが、可用性の向上を目的として結果整合性モデルを採用した例です。

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  • ご返信が遅れてしまってすみませんでした。頂いたご回答から「一般的にマイクロサービスは結果整合性モデルが用いられる」「一貫性を重視するなら強整合性モデル」「強整合性モデルはサービス間の独立性を高めるため、ストレージサービスを使うことがある」と理解しました 2022年1月20日 21:57
  • 追加質問になってしまい申し訳ないのですが、「強整合性モデルはサービス間の独立性を高めるため、ストレージサービスを使っている際」に、「データの更新を依頼されたサービスAが動作していなかった」とき、サービスAは別途、サービスが正常に動作し始めた後で、ストレージサービスからデータを取り出す必要があると思うのですが、これも強整合性モデルでの処理がうまくいかなかったために、「結果整合性モデルにフォールバックした」と考えて良いのでしょうか? / またサービスBは動作していなかった間に受信したデータ更新依頼をどのように受け取るのでしょうか?これについても、サービスBが動作し始めた際にストレージサービスへアクセスするのでしょうか? / 決済トランザクション管理のような整合性が重視されるデータを扱う際、マイクロサービスがどのような対処をしているか、知りたく追加で質問致しました。 2022年1月20日 22:01
  • もし別に質問をする方がよければ、そのように致します。ご返信いただけたら幸いです。長文失礼致しました。詳細なご回答ありがとうございました。 2022年1月20日 22:05
  • 「強整合性モデルはサービス間の独立性を高めるため、ストレージサービスを使うことがある」 この部分は、私の説明がまずくミスリードさせてしまったと思います。 「強整合性モデルは同期処理が必要なので、更新先サービスの死活に依存する。サービス間の独立性を高めるため、ストレージサービスを使うことがある。 ストレージサービスを介した場合更新は非同期となる(一時的な不整合が生じる)ので、結果整合性モデルになる」が正しいです。
    – jhashimoto
    2022年1月22日 6:59
  • > これも強整合性モデルでの処理がうまくいかなかったために、「結果整合性モデルにフォールバックした」と考えて良いのでしょうか? これはミスリードから生じた疑問かと思いますが、ストレージサービスを利用する場合は、先述のとおり結果整合性モデルになります。
    – jhashimoto
    2022年1月22日 7:08

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