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(端的に説明できる自信が無いので、冗長ですが考えた順に記述しています…)

Rust by Example 日本語版 > 18.5. Resultをイテレートする の冒頭のコード

fn main() {
    let strings = vec!["tofu", "93", "18"];
    let numbers: Vec<_> = strings
        .into_iter()
        .map(|s| s.parse::<i32>())
        .collect();
    println!("Results: {:?}", numbers);
    // Results: [Err(ParseIntError { kind: InvalidDigit }), Ok(93), Ok(18)]
}

に、処理を追加して数値を2倍する方法を考えています。

ぱっと思いついたのは新しい map を繋げてそこで2倍すれば良いだろう、というものだったので

        .map(|r| Ok(r? * 2))

を追加したところ、次のコンパイルエラーになりました:

error[E0282]: type annotations needed for `Vec<Result<i32, E>>`

(playground)

追加した map について、エラーの型を明示する必要がある、と理解したので、それっぽいところに型を追加して、結果的に次のようなコードになりました:

use std::num::ParseIntError;

fn main() {
    let strings = vec!["tofu", "93", "18"];
    let numbers: Vec<_> = strings
        .into_iter()
        .map(|s| s.parse::<i32>())
        .map::<Result<_, ParseIntError>, _>(|r| Ok(r? * 2))
        .collect();
    println!("Results: {:?}", numbers);
    // Results: [Err(ParseIntError { kind: InvalidDigit }), Ok(186), Ok(36)]
}

(playground)

上記のコードは期待通りの挙動になっているのですが、やりたいことに関係のない、エラーについての情報(<Result<_, ParseIntError>, _>)がコード内で目立ってしまっているのが気になりました。

型情報が必要なのは?演算子を利用しているのが理由ではないかと考え、and_then で書き換えてみました。これも期待通り動作しました:

        .map(|r| r.and_then(|i| Ok(i * 2)))

(playground)

ただ、この書き方だと、map を追加するたびに毎回その中で and_then を呼ぶ必要があるのですっきりしないコードになりそうです。


質問:

そもそも、map のクロージャが Result を受け取るから Err について考える必要が出てくるのではないかと考えました。
Ok についてだけ考えれば良いような書き方はあるでしょうか。
イメージしているのは次のようなものなのですが…:

        .map_and_then(|i: i32 /* Ok のときだけ受け取る */| Ok(i * 2))

(playground)

あるいはそのような書き方が無い場合、一般的にはどのように実装されるのでしょうか。

2 件の回答 2

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いまのnumbersVec<Result<i32, _>>型のままにしたいのでしたら、Result::mapを使うのはどうでしょうか?

let strings = vec!["tofu", "93", "18"];
let numbers: Vec<_> = strings
    .into_iter()
    // Result::map()は、Ok(x)ならxにクロージャーを適用して得た値yをOkで
    // 包んでOk(y)を返す。Err(e)ならErr(e)をそのまま返す
    .map(|s| s.parse::<i32>().map(|n| n * 2))
    .collect();
println!("Results: {:?}", numbers);
// → Results: [Err(ParseIntError { kind: InvalidDigit }), Ok(186), Ok(36)]

もしparseに失敗した値は無視してnumbersVec<i32>にするなら、Iterator::filtermapを使うのが良さそうです。

let strings = vec!["tofu", "93", "18"];
let numbers: Vec<_> = strings
    .into_iter()
    // Iterator::filter_map()は、クロージャーが返した値がSomeなら
    // unwrapし、Noneならその値をスキップする
    // Result::ok()は、Ok(x)ならSome(x)を返し、Err(e)ならNoneを返す
    .filter_map(|s| s.parse::<i32>().ok())
    .map(|n| n * 2)
    .collect();
println!("Results: {:?}", numbers);
// → Results: [186, 36]
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  • ありがとうございます。ちなみに期待していた結果は前者の [Err(ParseIntError { kind: InvalidDigit }), Ok(186), Ok(36)] でした。言葉足らずですみません。 2021年10月9日 17:28
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itertoolsmap_ok が利用できそうです。

use itertools::Itertools;

fn main() {
    let strings = vec!["tofu", "93", "18"];
    let numbers: Vec<_> = strings
        .into_iter()
        .map(|s| s.parse::<i32>())
        .map_ok(|i| i * 2)
        .collect();
    println!("Results: {:?}", numbers);
    // Results: [Err(ParseIntError { kind: InvalidDigit }), Ok(186), Ok(36)]
}

また、次のリンク先にスタンドアロンな実装もありました。これを理解できれば自前でも実装できるのではと考えます。

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  • これは便利そうですね! 参考になりました。 2021年10月10日 0:12

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