先日、以下のRustコードの2行目の .map(Some)
のように、map
の引数にクロージャではなく Some
や Ok
を渡しているのを見かけました。
let v = vec![1,2,3];
let a = v.iter().map(Some).collect::<Vec<_>>();
println!("{:?}", a); //=> [Some(1), Some(2), Some(3)]
これの出力が[Some(1), Some(2), Some(3)]
となるのは、変数に束縛したクロージャを渡すのと同じ見た目なので、直観的には理解できます。
let v = vec![1,2,3];
let fun = |x| x + 3;
let v = v.iter().map(fun).collect::<Vec<_>>();
println!("{:?}", a); //=> [4, 5, 6]
公式リファレンスのmap
には次の記述があります。しかし、リファレンスを見る限りOption
はFnMut
を実装していないようです。
map()
transforms one iterator into another, by means of its argument: something that implementsFnMut
.
いくらfun(x)
とSome(x)
で書き方が似ていようと、前者はクロージャ、後者はenumです。どうして上記の書き方でうまくいくのでしょうか?
なお、Rubyでは Symbol#to_proc
を使って、メソッド名からブロック(クロージャ)を生成できます。オブジェクトを文字列に変換する to_s
メソッドにこれを使うと、 [1, 2, 3].map(&:to_s) == [1, 2, 3].map {|x| x.to_s} == ["1", "2", "3"]
と書けます。これと似た仕組みがあるのでしょうか?