後半のインプレース演算の意味はわかるのですが、x
が一度しか評価されないという意味がわかりません。
値については、どちらの方法でもxの初期値とx+1の評価をすることにはかわりないと思うのですが。
7.2.1. 累算代入文 (augmented assignment statement)
x += 1
のような累算代入式は、x = x + 1
のように書き換えてほぼ同様の動作にできますが、厳密に等価にはなりません。累算代入の方では、x
は一度しか評価されません。また、実際の処理として、可能ならば インプレース (in-place) 演算が実行されます。これは、代入時に新たなオブジェクトを生成してターゲットに代入するのではなく、以前のオブジェクトの内容を変更するということです。
An augmented assignment expression like x += 1 can be rewritten as x = x + 1 to achieve a similar, but not exactly equal effect. In the augmented version, x is only evaluated once. Also, when possible, the actual operation is performed in-place, meaning that rather than creating a new object and assigning that to the target, the old object is modified instead.
皆さんの意見を加味した追加情報です。
int計算
どちらでも計算時間かわらなかったので省略
次はリストに要素追加していくバージョン。
リスト(累算)
augmentassign.py
計算にかかった時間:0.0144632940292358398[sec]
import time
firstTime = time.time()
i=0
list1=[1,1,1]
while i <100_000:
i+=1
list1 +=[1]
usedTime = time.time() - firstTime
print ("計算にかかった時間:{0}".format(usedTime) + "[sec]")
リスト(ノーマル)
normalassign.py
計算にかかった時間:25.47399997711816[sec]
import time
firstTime = time.time()
i=0
list1=[1,1,1]
while i <100_000:
i+=1
list1=list1+[1]
usedTime = time.time() - firstTime
print ("計算にかかった時間:{0}".format(usedTime) + "[sec]")
これは単純にin-placeかどうかで圧倒的な差がついているのかと思われます。
タプル
単なる要素の追加ではどちらでも計算時間かわらなかったので省略
どちらもout-placeだからでしょうか。
それでは、もっと元になるオペランド自体の計算量を増やしてみることにします。
念のためにlistのidがかわっていないことの確認を入れています。
オペランドに計算要素をもたせたリスト(ノーマル型)
evalOnLeft_normal.py
計算前のid:140108440645824
list1:[1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001]
計算後のid:140108440645824
計算にかかった時間:3.2987570762634277[sec]
import time
firstTime = time.time()
i=0
list1=[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1]
print("計算前のid:{0}".format(id(list1)))
def evalOnLeft():
global i
whichIndex=i%10
return whichIndex
while i <10_000_000:
list1[evalOnLeft()]=list1[evalOnLeft()]+1
i+=1
usedTime = time.time() - firstTime
print("list1:{0}".format(list1))
print("計算後のid:{0}".format(id(list1)))
print("計算にかかった時間:{0}".format(usedTime) + "[sec]")
オペランドに計算要素をもたせたリスト(累算型)
evalOnLeft_augment.py
計算前のid:140579620745408
list1:[1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001]
計算後のid:140579620745408
計算にかかった時間:2.5201609134674072[sec]
import time
firstTime = time.time()
i=0
list1=[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1]
print("計算前のid:{0}".format(id(list1)))
def evalOnLeft():
global i
whichIndex=i%10
return whichIndex
while i <10_000_000:
list1[evalOnLeft()]+=1
i+=1
usedTime = time.time() - firstTime
print("list1:{0}".format(list1))
print("計算後のid:{0}".format(id(list1)))
print("計算にかかった時間:{0}".format(usedTime) + "[sec]")
ということで、もっともらしい時間差がつきました。
オペランド自体の計算量が増えれば、気にする価値が出てくるかもしれません。
あとは、これを累算型とノーマル型で「評価回数」が異なるというかどうかの言葉の定義であったり、実際docの作成者の意図がどうであったかの問題かもしれません。