6

後半のインプレース演算の意味はわかるのですが、x が一度しか評価されないという意味がわかりません。
値については、どちらの方法でもxの初期値とx+1の評価をすることにはかわりないと思うのですが。

7.2.1. 累算代入文 (augmented assignment statement)

x += 1 のような累算代入式は、 x = x + 1 のように書き換えてほぼ同様の動作にできますが、厳密に等価にはなりません。累算代入の方では、 x は一度しか評価されません。また、実際の処理として、可能ならば インプレース (in-place) 演算が実行されます。これは、代入時に新たなオブジェクトを生成してターゲットに代入するのではなく、以前のオブジェクトの内容を変更するということです。

An augmented assignment expression like x += 1 can be rewritten as x = x + 1 to achieve a similar, but not exactly equal effect. In the augmented version, x is only evaluated once. Also, when possible, the actual operation is performed in-place, meaning that rather than creating a new object and assigning that to the target, the old object is modified instead.

皆さんの意見を加味した追加情報です。

int計算

どちらでも計算時間かわらなかったので省略

次はリストに要素追加していくバージョン。

リスト(累算)

augmentassign.py

計算にかかった時間:0.0144632940292358398[sec]

import time
firstTime = time.time()
i=0
list1=[1,1,1]
while i <100_000:
    i+=1
    list1 +=[1]

usedTime = time.time() - firstTime
print ("計算にかかった時間:{0}".format(usedTime) + "[sec]")

リスト(ノーマル)

normalassign.py

計算にかかった時間:25.47399997711816[sec]

import time
firstTime = time.time()
i=0
list1=[1,1,1]
while i <100_000:
    i+=1
    list1=list1+[1]

usedTime = time.time() - firstTime
print ("計算にかかった時間:{0}".format(usedTime) + "[sec]")

これは単純にin-placeかどうかで圧倒的な差がついているのかと思われます。

タプル

単なる要素の追加ではどちらでも計算時間かわらなかったので省略
どちらもout-placeだからでしょうか。

それでは、もっと元になるオペランド自体の計算量を増やしてみることにします。
念のためにlistのidがかわっていないことの確認を入れています。

オペランドに計算要素をもたせたリスト(ノーマル型)

evalOnLeft_normal.py

計算前のid:140108440645824
list1:[1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001]
計算後のid:140108440645824
計算にかかった時間:3.2987570762634277[sec]

import time

firstTime = time.time()
i=0
list1=[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1]
print("計算前のid:{0}".format(id(list1)))

def evalOnLeft():
    global i
    whichIndex=i%10
    return whichIndex


while i <10_000_000:
  
    list1[evalOnLeft()]=list1[evalOnLeft()]+1
    i+=1

usedTime = time.time() - firstTime
print("list1:{0}".format(list1))
print("計算後のid:{0}".format(id(list1)))
print("計算にかかった時間:{0}".format(usedTime) + "[sec]")

オペランドに計算要素をもたせたリスト(累算型)

evalOnLeft_augment.py

計算前のid:140579620745408
list1:[1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001, 1000001]
計算後のid:140579620745408
計算にかかった時間:2.5201609134674072[sec]

import time

firstTime = time.time()
i=0
list1=[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1]
print("計算前のid:{0}".format(id(list1)))

def evalOnLeft():
    global i
    whichIndex=i%10
    return whichIndex


while i <10_000_000:
  
    list1[evalOnLeft()]+=1
    i+=1

usedTime = time.time() - firstTime
print("list1:{0}".format(list1))
print("計算後のid:{0}".format(id(list1)))
print("計算にかかった時間:{0}".format(usedTime) + "[sec]")

ということで、もっともらしい時間差がつきました。
オペランド自体の計算量が増えれば、気にする価値が出てくるかもしれません。

あとは、これを累算型とノーマル型で「評価回数」が異なるというかどうかの言葉の定義であったり、実際docの作成者の意図がどうであったかの問題かもしれません。

0
7

x が一度しか評価されない」については、字句通りにxを1つの識別子として理解するのではなく、累積代入文の左辺に来得る任意のものを表していると解釈した方がわかりやすくなるのではないでしょうか。

i = 0
def inc():
    global i
    i += 1
    return i
list = [1, 2, 3]
list[inc()] += 1
print(list) //->[1, 3, 3]

このような例であれば、list[inc()] += 1list[inc()] = list[inc()] + 1の違いははっきりとわかるかと思います。

1

代入文との比較の話だと思います。
x = x + 1 の場合は右辺の x と左辺の x の計2回評価するけど、x += 1 では1回だけだから厳密 (内部の処理的) に等価にはなりません。」
程度の意味ではないでしょうか。

1
  • xがただのint型だと左辺評価にならないですが、配列系などの大きめのオブジェクトだと型の評価などでコストかかるのでしょうかね。 – peppaa 4月3日 10:48
0

x += 1といった累算代入文でxが一度しか評価されないというのはどういう意味ですか?

私は「代入」も評価に数えていると解釈しました。

  • x = x + 1の場合

    x + 1を計算する --> xを評価(1回目の評価)
    結果をxに代入する --> xを評価(2回目の評価)

  • x += 1の場合

    xに1を足し込む --> xを評価

しかしながら

x += 1 のような累算代入式は、 x = x + 1 のように書き換えてほぼ同様の動作にできますが、厳密に等価にはなりません。累算代入の方では、x は一度しか評価されません。

の「累算代入の方では、x は一度しか評価されません。」は余計な説明だと思います(※)。
「厳密に等価にならない」のは「評価回数の違い」で起こるのではなく、生成した新たなオブジェクトでxを書き換えているか(代入)、いないか(累算代入)の違いだと思います。

※そう思ったのは「評価の回数」で振る舞いが変わる例に思い至らなかったためです。


追記

「累算代入の方では、x は一度しか評価されません。」はやっぱり怪しいです。

Python Documentationを調べてみましたが

x += 1はx = operator.iadd(x, 1)に等価
x = x + 1はx = operator.add(x, 1)に等価

とありました。
これによればインプレース版でもそうでなくてもxの評価回数は同じように読めます。

また、クラスのプロパティにprint文を入れて実行したところ、どちらも評価回数は同じでした。

以下は出典と確認結果です。


operator --- 関数形式の標準演算子
に次の説明がありました。

operator モジュールは、Python の組み込み演算子に対応する効率的な関数群を提供します。 例えば、 operator.add(x, y) は式 x+y と等価です

これによればx = x + 1x = operator.add(x, y)に等価です。

インプレース (in-place) 演算子
には次の説明がありました。

多くの演算に「インプレース」版があります。 以下の関数はそうした演算子の通常の文法に比べてより素朴な呼び出し方を提供します。たとえば、 文 x += y は x = operator.iadd(x, y) と等価です。別の言い方をすると、 z = operator.iadd(x, y) は複合文 z = x; z += y と等価です。

これによればx += 1x = operator.iadd(x, 1)に等価です。

【確認に使用したコード】

class Sample():
    def __init__(self, x):
        self.xx = x
    @property
    def x(self):
        print('get x ==>', self.xx)
        return self.xx
    @x.setter
    def x(self, x):
        print('set x <==', x)
        self.xx = x

sample = Sample(12)
sample.x += 1
print(sample.x)
sample.x = sample.x + 1
print(sample.x)

【実行結果】

get x ==> 12
set x <== 13
get x ==> 13
13
get x ==> 13
set x <== 14
get x ==> 14
14

追記2

「累算代入の方では、x は一度しか評価されません。」はやっぱり怪しいです。

は撤回いたします。

dosecさん、OOPerさん、peppaaさん、oriri 5さんの回答やコメントから

x += 1 のような累算代入式は、 x = x + 1 のように書き換えてほぼ同様の動作にできますが、厳密に等価にはなりません。累算代入の方では、 x は一度しか評価されません。

は「+=」や「+」の演算の前に「x」を評価する回数が異なると解釈すれば、「x は一度しか評価されません」は納得がいきます。

f()が呼ばれるごとに値が異なる場合
「x[f()] = x[f()] + 1」と「x[f()] += 1」の結果が異なるのは「x[f()]の評価回数が異なるためといっていいと思います。

2
  • 私も評価という言葉に縛られすぎているだけなのか?とも考えました。 – peppaa 4月3日 10:53
  • 1
    +=演算子でない場合, 例えばx[2*3]=x[2*3] +1だと(加算以外に)項目の特定のための演算が 2度行われます。その際に副作用を含む演算があればx=x+1のつもりがz=x+1(異なるオブジェクト, 異なる id)になってしまう可能性がある, ということ。operator.add などはその後の処理だと思います – oriri 4月3日 17:26
0

左辺 x に副作用があるとき「一度だけ評価」が規定されていないと困ったことになります

他言語でよければ の例

int* p=&array[i];
*p++ += 1; // *p++ = *p++ + 1; に置き換えると「未定義動作」
// 一度だけ評価が無いと p[i] が変わるのか p[i+1] が変わるのか不明

の例

int a, debugcount;
int& func() { ++debugcount; return a; }
func() += 1; // 同上、一度だけ評価なら debugcount は1増えることが確定
0

x += 1といった累算代入文でxが一度しか評価されないというのはどういう意味ですか?

文字通り x が一度しか評価されないという意味ですが、式 += 1 を意図していると思います。
OOPer さんが示されている内容と本質的に同じですが、代入文との違いが出る例を提示します。

7.2.1. 累算代入文 (augmented assignment statement)

augmented_assignment_stmt ::= augtarget augop (expression_list | yield_expression)
augtarget ::= identifier | attributeref | subscription | slicing
augop ::= "+=" | "-=" | "*=" | "@=" | "/=" | "//=" | "%=" | "**="
| ">>=" | "<<=" | "&=" | "^=" | "|="

augtarget には subscription があり、添字表記式も対象になりますので lst をリストオブジェクトとして
lst[n] += 1
も対象です。
6.3.2. 添字表記 (subscription)

subscription ::= primary "[" expression_list "]"
プライマリがシーケンスであれば、式リストの評価結果は整数またはスライス (以下の節で論じます) でなければなりません。

と説明されているのでリストの場合は n に整数を返す式を指定できます。
そのため

lst = [1, 3, 5]
it = iter(range(5))
lst[next(it)] += 1  # lst[0] += 1
print(lst)          # [2, 3, 5]

とした場合 lst[next(it)] は一度しか評価されないため lst[0] += 1 となりますが

lst = [1, 3, 5]
it = iter(range(5))
lst[next(it)] = lst[next(it)] + 1  # lst[1] = lst[0] + 1
print(lst)                         # [1, 2, 5]

とした場合、6.16. 評価順序 にしたがって、先に右辺の lst[next(it)] が評価され lst[0] となり、左辺の lst[next(it)] は後で評価されるため lst[1] となり違いが出てきます。

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