質問の使われ方例とはちょっと違うようですが、zshが起源らしいです。
記事のタイトルでは「再帰globパターン」、記事中の英文では「recursive directory search」、そして記事からリンクされているzshのマニュアルでは「Recursive Globbing」となっています。
再帰globパターン **/ の元祖は zsh なのか、調べてみた
最初は ..../ だった!
Zsh-2.1 で ****/ に変わった
Zsh-2.2 で **/ になった
時に、1992/05/14。 ここまでの経緯を見るに、zsh が元祖ではないか?と私には見えました。
zshのマニュアル
14.8.6 Recursive Globbing
以下のQ&A記事もタイトルは「recursive globbing」です。
recursive globbing **/* and */**
I am learning the wildcards recursive globbing and tried
ここの回答と下記コメントに後述されたリンク先では'**'は「globstar」あるいは「globstar expansion」と言われているようです。
Also beware that in zsh
(the original implementation of recursive globbing), ...only **/
is (short for (*/)#
)... See The result of ls * , ls ** and ls *** for details.
そして上記いずれの記事/マニュアル/コメントにも、**/
は(*/)#
の短縮形であると書かれてて、#
はzshマニュアルのGlob Operatorsという項目で正規表現の*
と同様の仕様(直前のパターンの0回以上の繰り返し)となっています。
だから正規表現(の方言?)と言うことも出来そうです。
14.8.1 Glob Operators の最後の方
x#
(Requires EXTENDED_GLOB to be set.) Matches zero or more occurrences of the pattern x. This operator has high precedence; '12#' is equivalent to '1(2#)', rather than '(12)#'.
質問や他回答に出てくるものの初出がだいたいzshよりも後なので、まあzsh起源と言っても良いのでしょう。
httpdのApacheが1995, rsyncが1996, Apache Antが2000, Spring Frameworkが2002です。
'**'はrsyncに解説込みで、Apache Antにbuild.xmlの1行で、出ています。
rsync(1) - Linux man page
Apache Ant - Wikipedia
ちなみにPythonだと3.5からのサポートなので割と最近です。
glob --- Unix 形式のパス名のパターン展開
glob.glob(pathname, *, recursive=False)
recursive が真の場合、パターン "**" はあらゆるファイルや0個以上のディレクトリ、サブディレクトリおよびディレクトリへのシンボリックリンクにマッチします。
バージョン 3.5 で変更: "**" を使った再帰的な glob がサポートされました。
globでは再帰するか否かはオプションですが、pathlibでは決め打ちで再帰します。
pathlib --- オブジェクト指向のファイルシステムパス
パターン "**" は "このディレクトリおよびすべてのサブディレクトリを再帰的に走査" を意味します。言い換えれば、再帰的な Glob 走査が可能という意味です:
ファイル名のワイルドカードとしての起源は1960年代のようです。
CTSSが1961, TOPS-10が1967, MulticsとUNIXが1969です。
Earliest use of an asterisk (*) to indicate a zero-to-many character wildcard?
1956年頃の正規表現が元になっているというコメント
It was invented by Stephen Kleene around 1956 as part of the specifications for regular expressions; it's called the "Kleene star" or the "Kleene closure". – John Lawler Jul 4 '13 at 23:25
回答ではTOPS-10とMulticsが元だと引用されています。
- History of the asterisk wildcard character leading up to DOS and UNIX (and beyond):
TOPS-10 syntax (precursor of MS-DOS)
Multics syntax (precursor of UNIX and modern Microsoft Windows)
もう一つCTSSにもワイルドカードという概念はあったようです。
Compatible Time-Sharing System - Wikipedia
- delete – Delete file, had * wildcards
UNIXの方は、こちらの「起源」の項目に記述がありますが、「インタプリタとは独立した/etc/glob
というプログラム」が最初のようです。
グロブ - Wikipedia
**
の発祥に関して言えば、Co:Z Dataset Pipes - User's GuideのAppendix B. Command Reference - z/OS Utilities
-catsearch
-Examples
に、"This example shows the difference between the single and double asterisk filter key symbols. A single asterisk only lists datasets within the current segment; the double asterisk will span segments." との記載があり、セパレータが.
と/
の違いはありますが、同じ意味になっています。このマニュアルは現代のものですが、1970~80年代頃から**
はメインフレームのOSでデータセットのフィルタリングに使われていたと記憶しています。