よくある UNIX 系カーネルソースやツールソース、すなわち c の話として
初期の c いわゆる ANSI-C より古いものにおいて enum
はありませんでした。よってエラーコード一覧のようなものに英単語列を与えるには #define
しか手はありません。よく知られている通り #define
はソースコードテキストレベルでの置換で、濫用はご法度です。特に、短い名前を使うのは論外。
#define OK 0 /* alice.h */
#define OK 1 /* bob.h */ /* redeclaration */
/* I am charlie, how I can use BOTH `OK` ? */
enum
は c89 で付け加えられたものですが、テキスト置換こそしないまでも、複数の enum
に同じ名前を与えることはできません。
enum resultA { OK=0, ERR=1 };
enum resultB { OK=1, ERR=-1 }; // redeclaration
よって c においては [関連性のある複数の名前に] (まあ要するにエラーコード一覧とか) prefix ないし suffix をつけない短い名前を使うと混乱の元です。ないしは作者の違うソースが共存不可能になってしまいます。よってしかたなく prefix / suffix を使うしかなかったってのが実情でしょう。んで grep
しやすいのは prefix のほうだから
- エラーコードなら
E_
prefix をつけてみた(ライブラリ作者がそうした)
- 既に
E_
prefix が使われちゃっているから仕方なく ERR_
prefix にしてみた(ライブラリユーザーは)
- 結果コードなら
RESULT_
prefix をつけてみた
- 設定値なら
CONF_
prefix をつけてみた
つまり実装上の都合に過ぎず、海より深い理由は無いとオイラ個人は思っています。
c# では CallingConvention.StdCall
のように enum
名を併記しないといけないようになりましたよね(古くからの c ユーザには「名前が長すぎ」と不評ですが、こちらのほうが絶対にわかりやすくて安全です)