こんにちは。
私の理解ですが、
- 右辺値参照は、右辺値にしかマッチしない。
- 参照は、右辺値でも左辺値でもマッチする。
- コピーコンストラクタは、ふつう const T & で定義する。
コピーコンストラクタを呼ぶ側の人から見ると、大事な変数を渡した場合、間違っても右辺値にマッチされることがないので、moveコンストラクタに渡って破壊される心配がない。他方でコピーコンストラクタは引数を改変することがあってはならず、それをはっきりさせるためにconst参照で受ける:
class MyLargeClass {
...
MyLargeClass(const MyLargeClass &reference); // copy constructor
MyLargeClass(MyLargeClass &&donor); // move constructor
MyLargeClass operator+(const MyLargeClass &rhs) const;
...
};
void some_function() {
MyLargeClass a;
MyLargeClass b(a); // 引数が左辺値なので&&にマッチせず、コピーコンストラクタが呼ばれる
MyLargeClass c, d;
MyLargeClass e( c + d ); // 引数は一時オブジェクトであり、右辺値。
// どっちにもマッチするがマッチ範囲が狭い&&が
// 優先され、moveコンストラクタが呼ばれる。
}
と理解しているので、呼び分けできていて、納得しています。
ここまで書いて、ご質問とかみあってない気がしたので、ご質問の核心になるべく即して書きます:
moveコンストラクタの機能を果たす(右辺から実体を横取りするような)コンストラクタは、constではない参照を受けるコンストラクタを書けば、確かに実装できますが、呼びわけがうまくいかないと思います。
例えばローカル変数で手元に持っているオブジェクトをコピーコンストラクタの引数に渡した場合を考えてみてください。自分で作ったローカル変数にはconstが課せられていないので、以下のコードでは、bを作るときにaが破壊されてしまいます。
class MyLargeClass2 {
...
MyLargeClass2(const MyLargeClass2 &reference); // (A)copy constructor
MyLargeClass2(MyLargeClass2 &donor); // (B)move constructor ?
MyLargeClass2 operator+(const MyLargeClass2 &rhs) const;
...
};
void some_function() {
MyLargeClass2 a;
MyLargeClass2 b(a); // aへの改変が許されてるので(B)が呼ばれてしまい、aが破壊される。
MyLargeClass2 c, d;
MyLargeClass2 e( c + d ); // (B)が呼ばれて、こちらは狙い通り。
}
これを防ぐには、右辺値に限ってマッチするような引数の型が必要で、それが右辺値参照だと理解しております。
#説明が間違ってましたらご指摘歓迎いたします。