一般的なプログラミング言語では、特に細工を入れない限りは演算(+
とか -
とか *
とか /
等)は即時で評価されます。bai(9)
を実行すると n には 9 という値
が格納されるので n * 2
は即時で評価
され 18 という数値の結果が出ます。その値は return で呼び出し元(main)に戻され kekka という変数に代入されます。掛け算という物が代入されるのではなく、結果である 18 である事に注意して下さい。
n には x2
といった様な倍数
の様な物が格納されている訳ではありません。
以下の例を見て下さい。
int n = 3;
kekka = bai(n); // 3 を渡す
n = 4; // kekka には既に 6 が代入されているので n を変更しても意味はない
kekka に 6 が格納された後で n の値を変えても遅いのです。
もう一つ例を示します。
kekka = bai(2 * 3);
これは以下の様に動作します。
2 * 3
が評価され 6 という値が作られる
- 6 という値が bai に渡される
- bai により、
2 * 6
つまり 12 という値が戻される
- kekka という変数に 12 が格納される
今後プログラミングをやっていく過程で遅延評価
という言葉と共に、即時で評価しない仕組みが登場してくるかと思いますが、今回のケースは当てはまりません。ご注意下さい。
おまけ
interface Calclator {
int calc(int lhs, int rhs);
}
class OpPlus implements Calclator {
public int calc(int lhs, int rhs) {
return lhs + rhs;
}
}
class OpMinus implements Calclator {
public int calc(int lhs, int rhs) {
return lhs - rhs;
}
}
class OpMult implements Calclator {
public int calc(int lhs, int rhs) {
return lhs * rhs;
}
}
class OpDiv implements Calclator {
public int calc(int lhs, int rhs) {
return lhs / rhs;
}
}
public class JSample5_1 {
private static Calclator getCalculator(char op) throws RuntimeException {
switch (op) {
case '+':
return new OpPlus();
case '-':
return new OpMinus();
case '*':
return new OpMult();
case '/':
return new OpDiv();
default:
throw new RuntimeException("Invalid operator");
}
}
public static void main(String[] args) {
// 足し算クラスを戻り値として貰う
Calclator c = getCalculator('+');
// c には足し算クラスが入っているので calc を実行すると 1 + 2 が
// 実行され、結果 3 が返る。
System.out.println(c.calc(1, 2));
}
}
上のソースを実行し、main の '+'
の部分を他の演算子に変えて試して貰うと本来の戻り値を使ってメソッドを返す方法
をどう実装するかが理解できると思います。
関数オブジェクトという、関数本体を返す方法は Java8 で実現出来るのですが、おそらく勉強段階の今はやらない方がよいと思います。