Solaris 10のshの場合
tee -a ファイル
と>>ファイル
は次の点で結果が変わることがあります。
tee -a
はファイルをO_APPEND
でopen
してwrite
する。
>>ファイル
はファイルの末尾にlseek
してwrite
する。
あるプロセスが>>ファイル
を実行しているとき、lseek
とwrite
の間で、別のプロセスが割り込んで同じファイルに対して>>ファイル
を実行すると、2つのプロセスのwrite
結果が混ざってしまうことがあります。
shに依存する振る舞いかもしれませんが、Solaris 10
のshではそうでした。
※ shスクリプトでログ出力していたときに、ログファイルが乱れていたので、その原因を調べた結果です。
Solaris10の環境が残っていたので/bin/sh
の振る舞いをtruss
で確認しました。ファイルの末尾にシークしています。

なお、/bin/bash
ではO_APPEND
でopen
していました。
bashでの結果
centosでもbashの振る舞いを確認してみました。
結果はBourne Shell
のときと違っており、リダイレクト先のファイルをO_APPEND
でopen
していました。
スクリプト
#!/bin/bash
echo "AAA" >> ./log
straceの結果
openat(AT_FDCWD, "./log", O_WRONLY|O_CREAT|O_APPEND, 0666) = 3
fcntl(1, F_GETFD) = 0
fcntl(1, F_DUPFD, 10) = 10
fcntl(1, F_GETFD) = 0
fcntl(10, F_SETFD, FD_CLOEXEC) = 0
dup2(3, 1) = 1
close(3) = 0
fstat(1, {st_mode=S_IFREG|0664, st_size=8, ...}) = 0
write(1, "AAA\n", 4) = 4
この結果は、GNU bash, バージョン 4.4.20
のものです。
確認したbashのバージョン
GNU bash, バージョン 4.4.20(1)-release (x86_64-pc-linux-gnu)
Solaris10で確認したときのバージョンは以下です。
GNU bash, バージョン 3.2.51(1)-release (i386-pc-solaris2.10)
man
コマンドで調べる癖をつけることをおすすめします。echo
に関して言えば、これはシェル(bash)の builtin function なのでman bash
で調べるか、もしくはhelp echo
とします。もっとも、Ubuntu のecho(1)
には-e
の説明が載っていますが…-e
オプションがありませんので、man echo に記載がないのは当然ですね。こちらこそ失礼しました。