大文字を小文字に、小文字を大文字に変える関数ではないです。ではどのような関数でしょうか。この回答では挙動を確かめるやり方のひとつを紹介します。
まず関数の型を見ると、文字列 char *
を受け取って整数 int
を返しています。
int pal(char *s)
続いて関数の中身を見ると、色々と処理をしつつ最終的に 0
か 1
を返しています。まずはこの 0
と 1
が何なのかを考えることが理解に繋がりそうです。
この関数は危険な関数では無いので、実際に実行してみて挙動を確かめてみてください。たとえば下のような感じです。
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
int pal(char *s)
{
...
}
int main(void)
{
char *input = malloc(128);
int result;
sprintf(input, "%s", "abcde"); /* ここを色々と変えて挙動を確かめる */
result = pal(input);
printf("input: %s\nresult: %d\n", input, result);
free(input);
return 0;
}
"abcde"
と書かれている部分を "abcd" とか "abcba" とか "aaaa" とか変えてみて、出力がどう変わるか確かめてみてください。もしかしたら挙動が推測できるかもしれません。
その上でもう一度ソースコードを見て、どういう動き方をしているのか 1 行 1 行確認してみてください。
キーポイント:
- 最初の
while
ループではポインタ t
が指し示している場所をずらしています。C 言語の文字列は最後に \0
が入っているので、ここでは t
を s
の最後の 1 バイト (\0
の直前のバイト) まで動かしています。
- 2 つ目の
while
ループが鬼門です。与えられた文字列の先頭を指しているポインタ s
と、末尾を指しているポインタ t
を同時に動かしています。1 回のループで、s
は次のバイトに進み、t
は前のバイトに戻ります。ただしもしその指し示している先が異なるバイトであれば、即座に return 0
です。最終的に s
が t
を追い越せば (s <= t
を満たさなくなれば) ループは終わりです。つまり、文字列の真ん中まで来たら終わりです。
- よく分からなければ、実際に紙の上に手で
s
と t
がどうなっているのかを書いてみて、挙動を確認してみてください。ループが 1 回まわるごとに、どのように動いているでしょうか。
答え合わせのために、結局 pal
は何をする関数なのかを隠して書いておきます。
関数 pal
は、与えられた ASCII 文字列 s
が回文であれば 1
を、そうでなければ 0
を返す関数です。pal
というのは「回文」を表す英単語 "palindrome" から取ったのでしょう。