BLUEPIXY さんのコメントの、
コンパイラが吐き出したアセンブラソースを調べる必要があります。
に関して、gcc を使って、アセンブラコードを眺めてみました。多少見やすくするために、Hoge
関数を以下の様に書き換えています。
void Hoge()
{
int hoge1 = 2;
int i = 1;
for( int i = 0; i < 10; ++i ){
hoge1+=i;
}
i++;
}
int main(int argc, char *argv[]) {
Hoge();
return 0;
}
これを、最適化を行わないでコンパイルしてアセンブラコードを出力させます。
$ g++ -Wall -S hoge.cc
結果から、関連のある部分だけを取り出したものが以下です。
# auto 変数をセット(初期化)
movl %esp, %ebp # %esp = stack pointer/%ebp = base pointer
subl $16, %esp
movl $2, -12(%ebp) # hoge1
movl $1, -4(%ebp) # i
movl $0, -8(%ebp) # for 文内の i
jmp .L2
.L3: # for 文の中身と ++i
movl -8(%ebp), %eax
addl %eax, -12(%ebp)
addl $1, -8(%ebp)
.L2: # for 文の条件部
cmpl $9, -8(%ebp)
jle .L3
# 最後の i++
addl $1, -4(%ebp)
leave
特に説明をしなくても、処理の流れはお分かりかと思います。Hoge 関数内の auto 変数を宣言・初期化している部分に対応するのは以下です。
movl $2, -12(%ebp)
movl $1, -4(%ebp)
movl $0, -8(%ebp)
$2
は immediate value(即値)で、-12(%ebp)
は stack pointer の位置からの offset 値です(ここでは base pointer に stack pointer の値をセットしています)。int 型なので、-4 byte づつずらして stack 領域にセットしています。
gcc の場合ですと、関数内の auto 変数はスコープに関係なく全て最初に stack 領域に確保されることになります。つまり、for 文で宣言された変数 i は for 文を抜けても stack 領域に存在していることになります。
余談ですが、このソースコードを gcc に最適化オプションを付けてコンパイルするとどうなるのでしょうか。皆さんお分かりかと思いますが、こうなります。
_Z4Hogev:
.LFB0:
.cfi_startproc
rep ret
.cfi_endproc
Hoge 関数そのものがなくなります。理由は、、説明の必要はありませんよね。
追記:
gcc の場合、asm
文を使うことができますので、Hoge 関数を以下の様に書き換えてみます。なお、以下で埋め込んでいるアセンブラコードは Intel 32bit CPU のニーモニックです。
void Hoge()
{
int hoge1 = 2;
int i = 1;
for( int i = 0; i < 10; ++i ){
hoge1+=i;
}
printf("i = %d\n", i);
asm("movl -16(%ebp), %eax");
asm("movl %eax, -12(%ebp)");
printf("i = %d\n", i);
}
これをコンパイル・リンクして実行すると、
$ g++ -Wall -o hoge hoge.cc
$ ./hoge
i = 1
i = 10
となります。まぁ、アセンブラコードレベルではスコープなんてありませんので…
hoge1
とi
がスタックに確保されるとは限りません。レジスタに割り当てられる場合もあります。