Win32 API の使用経験はありますか?
GetPrivateProfileString
という API 関数は、実は存在しません。
GetPrivateProfileString
は、実際には下記のどっちか片方の別名となっています。
GetPrivateProfileStringA
という ANSI
版 (char
系を引数に受け取る)
GetPrivateProfileStringW
という WideChar
版 (wchar_t
系を引数に受け取る)
Visual Studio 等では、プロジェクトのオプションでどっちを使うかを切り分けています。オイラが使ったことのない RAD Studio でも同等のはず。んで、今のエラーメッセージからすると、あなたのプロジェクトは UNICODE
設定 (WideChar
側を使う) になっているようです。
なぜこんな複雑怪奇な仕様になっているかというと Win95 系と WinNT 系で Win32 API の実装が異なっていたという事情があるのですが、もう既に Win95 系が絶滅している関係で新しく作るソフトで ANSI
版を使う理由は何一つなく、ゆえにプロジェクトのデフォルト値は UNICODE
設定となっています。(A
系は多国語対応できないしエンコード変換が入るので遅い)
RAD Studio でどうかは知りませんので以下は Visual Studio の場合ですが
_TCHAR
を使い ANSI
/ WideChar
両方に対応したコードにする
char
型ではなく _TCHAR
型を使い、かつ文字列リテラルは _T("...")
とする
#include <tchar.h>
が必要
_TCHAR buf[40];
GetPrivateProfileString(_T("LANG_JPN"), _T("TOOLBAR_SERVER_STOP"), ... );
ANSI
ビルドすると Win95 用 EXE が作れ(日本語オンリー) UNICODE
ビルドすると WinNT 用 EXE が作れ多国語対応になります。
WideChar
限定とする
char
型ではなく wchar_t
型を使い、かつ文字列リテラルは L"..."
とする
明示的に W
版 Win32 API を呼ぶ
こちらの場合 #include <tchar.h>
は不要
wchar_t buf[40];
GetPrivateProfileStringW(L"LANG_JPN", L"TOOLBAR_SERVER_STOP", ... );
これだと多国語対応が自動でできてしまいます。が Win95 には非対応となります。
- プロジェクトの設定を
ANSI
に変えちゃう
今のソースコードを変えなくていいはず。その代わり多国語対応はできません(日本語 Windows を使うと中国語やタイ語を使うことはできなくなる)
ANSI
API を明示的に使う
プロジェクトの設定は UNICODE
のままで明示的に ANSI
版 API 関数を使ってもいいです。デメリットは 3. に同じ。
char buf[40];
GetPrivateProfileStringA("LANG_JPN", "TOOLBAR_SERVER_STOP", ... );
移植前ソースコードが FILE* f=fopen(filename, "rb");
のようにバリバリに char
型を使っているなら 3. か 4. のほうが書き換え量は少ないですが、いまどき流ではないっすね。日本語限定がとても痛いっす。かといっていきなり WideChar
版に全部直すのも困難かもしれないし、どっちにするかはお任せします。