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vectorlistどのように使い分けますか?この様な質問を受けました。

そこで私は、vectorは配列でlistはリストだろう。
具体的な使い分けとなると、リストは切ったりつなげたりが得意でvectorは配列メモリが消費が少ない。
けれど、実際に表現するときに切ったりつなげたりして使う使い方なんて心当りがない。
中間地点への一つのデータを頻繁に削除・挿入するのだとしたら検索まで含めるとmapsetの方が早い気がします。
最初や最後の地点だとしたらlistでなくてもqueueで足りるはずです。
となると、メモリを多く消費して実例の見当たらない切ったりつなげたりの動作が必要になる場面が思い浮かばず、「vectorの方が優れています。」と言ってしまいました。

stlのデータ構造のどれを差し置いてもlistで表現するのが適切となるアルゴリズムやプログラムは存在しますか

  • 順序を維持できないという点でmapやsetは代わりにならないと思いますが。 – h2so5 15年2月5日 11:38
  • できれば具体例を上げて欲しかったのですが – user4410 15年2月7日 1:40
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大抵のケースでは vector<T> 利用で十分かと思います。(Tは要素の型)

Scott Meyers, "Effective STL" でも、Item 1で次の言及があります

vector is the type of sequence that should be used by default.

list<T> の方が好ましいのは、下記条件を満たすときくらいです。どの程度なら"頻繁/多く/大きい"といえるかは、処理内容や要素型に強く依存するので、最終的には実測して判断すべきでしょう。

  • 中間位置に対する要素の挿入/削除が頻繁に行われ、
  • コンテナに格納される要素数が非常に多く
  • 要素型のサイズ(sizeof T)が十分大きいとき。

下記に、vectorlist の主な特徴を挙げておきます。

std::vectorシーケンスコンテナ

  • いわゆる「可変長配列(variable length array)」コンテナ。
  • 1要素あたりのメモリ使用量のオーバーヘッドが小さい。目安として sizeof T×容量+ポインタ型1個+整数型2個 分のメモリしか利用しないため、特にT型が小さいときに有利。

    • 動的メモリ確保されるのは "×容量(capacity())" であって、"×要素数(size())" ではない事に注意。事前に要素数を予測できる場合は、適切な容量指定しておく(reserve())ことで、要素挿入時のメモリ再確保コストを削減できる。

  • 任意位置要素へのランダムアクセス(operator[])が定数時間(ほぼゼロコスト)で可能。
  • 末尾位置以外への要素挿入は、線形時間がかかる。

    • 末尾位置への挿入(push_back())かつ容量>要素数のときのみ、定数時間で要素挿入を行える。容量拡張が必要になる場合は、動的メモリ再確保により最大で2.5~3倍程度のメモリを要求する。

  • 全要素が連続したメモリ領域に配置されると保証されるため、配列型(T*など)を要求するレガシーAPIに渡す事ができる。

    • 要素の順次走査ではCPUキャッシュの利用効率が良く、高速な走査を期待できる。(データ局所性が高く、ハードウェア・プリフェッチャ機構と相性が良い)

  • 要素の挿入/削除をおこなうと、他要素をさすイテレータが無効化されてしまう。
  • 要素数取得(size())は定数時間(ほぼゼロコスト)で可能。

std::listシーケンスコンテナ

  • いわゆる「双方向連結リスト(doubly-linked list)」コンテナ。
  • 1要素あたりのメモリ使用量のオーバーヘッドが大きい。目安として (sizeof T+ポインタ型2個)×要素数 を利用するため、特にT型が小さいときは無駄が大きい。

    • 容量という概念をもたず、常に "×要素数(size())" オーダーのメモリを消費する。

  • 先頭要素(front())/末尾要素(back())へは定数時間でアクセスできるが、中間要素へのアクセスは順次走査(線形時間)が必要となる。
  • 任意位置への要素の挿入/削除を定数時間で行える。
  • 要素同士は離れたメモリ位置に配置される。

    • 順次走査であってもCPUキャッシュラインを浪費しがちで、一般にvectorよりも低速な走査となる。(特に挿入/削除が頻繁に行われた場合、データの局所性が失われている。)

  • 要素の挿入/削除をおこなっても、他要素をさすイテレータは無効化されない。
  • 要素数取得(size())には線形時間が必要となる。C++11以降ならば定数時間が仕様上保証されるが、使用するコンパイラやライブラリの対応状況を確認のこと。
  • 質問なのですがメモリのオーバーヘッドとはなんですか? – user28203 18年10月20日 13:35
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    メモリ使用量のオーバーヘッド="コンテナが保持する本質的なデータサイズ"に対して、"管理用領域といった付帯的なデータサイズ"の比率 というニュアンスで使っています。例:100個のint型データを保持する場合、本質的には400byteだけあれば十分なはずです。しかし典型的な実装ではstd::vector<int>なら追加で12byte(合計412byte)、std::list<int>なら追加で1600byte!(合計8000byte)のメモリを消費します。説明のためsizeof(int)==4かつsizeof(void*)==8な環境を仮定しています。 – yohjp 18年10月23日 2:26
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listで表現するのが適切なアルゴリズムやプログラムは数多く存在します。
むしろ、vectorの方が使う場面を選ぶかと。

vectorの最大の利点はメモリ消費量ではなく、アクセス速度です。
動的にサイズが変更できるのに、メモリ上は連続した領域となっている為にランダムアクセス可能というのがvectorの利点です。
欠点はサイズ変更や削除を行う際に巨大なコピーコストがかかる部分です。内部的には配列なので。
また、細かい事を言えばvectorは内部的に必要量の最大1.5倍~2倍程度のメモリを確保するため、メモリ消費量はむしろ大きくなります。

listの利点は、書かれている通り挿入/削除に対するパフォーマンスが良い部分です。
vectorは途中の要素を削除した場合、削除部分以降の要素全てに移動が起こりますが、
listは最小限のコストで済みます。
その代わり、ランダムアクセスが不可能なので検索は遅くなります。

setmapは、listvectorとは用途が違います。

setmapは基本的に検索用途のコンテナです。
検索速度を上げる為に、以下の性質を持っています。

  1. setmapは同一要素(キー)を2つ以上保持できない。
  2. setmapの内部要素は、insert時に自動的にソートされる。

例えば、setに対して、1,2,3,9,8,7,6,5,4,1,2,3 という順番で数値をinsertしたとしても、
取り出す内容・順番は1,2,3,4,5,6,7,8,9になってしまいます。

以上の理由により、listが適している場面は単純に「挿入削除が頻繁に起こる場面」という事になります。

  • setmapが同一要素(キー)を2つ以上保持できないことが困る用途では、multisetmultimapが使えます。いずれにせよ、要素がソートされることが適している場合に利用するものですね。 – Egtra 15年9月26日 14:50
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他の方が述べておられる、中間位置への挿入/削除のパフォーマンスの良さに加えて、

  • 要素型のサイズが非常に大きく、コピーが非常に高コストであり、
  • コンテナ間での要素のやりとりが頻繁

といった状況でも、splicemergeが使えるlistは、有効な選択肢の一つだったのだろうな、と思います。もっとも、C++11以降では、moveが使えるため、この利点が生きる状況はあまりないかもしれませんが。

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vectorlistのほか、dequeも検討に入れてみてはどうでしょうか。

  • 先頭・終端での挿入・削除がO(1)で、中間ではO(N)です。ただし、実際には要素のサイズが小さくなければvectorより速いです。
  • ランダムアクセスはO(1)です。ただし、全要素がメモリ上連続ではないので、vectorよりは多少劣ります。

ちょうどいいデータをC++ benchmark – std::vector VS std::list VS std::deque | @Blog("Baptiste Wicht")で見つけました。

  • random_insert (8/32/4096 bytes)では、dequeが1位または1位とほぼ並ぶ速さ。
  • random_remove (8/32/4096 bytes)も同様。ただし、random_remove 4096 bytesを除く(listにそこそこ離されて2位)。

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