安価でもCPUを2個搭載した方が、1個故障した場合の対策にもなると思いますが、
なりません。2wayは冗長構成ではないので、障害点が増えるのでかえってリスクは高まります。CPUが全く認識されなくなれば起動し直せば例えば2way->1wayで動くかもしれませんが、中途半端に壊れた場合、自分でどちらが壊れているのか調べて切り離さないと、システムは不安定なままです。
CPUは高負荷環境だと割と壊れます。サーバ用プロセッサが最先端ではない半導体プロセスで作られるのはこれも理由の一つです。
一般的なサーバ選択では基本2ソケットのモデルになるはずですので、1wayにするか2wayにするかは大抵自由に選択できますし、普通最初に検討します。
以前のCPUはプロセッサの先にチップセットがつながり、その先にメモリやIOがぶら下がっていました。しかし最近(といってもそうなってずいぶんたちますが)のCPUは、メモリやIOがCPUから直接生えています。2wayのシステムのうち1つのCPUの視点で見ると、システム全体のリソースのうち半分は自分につながっているが、残り半分はもう一つのCPU経由でやりとりする必要があるということです。(詳しくはNUMAで検索)
たとえば、仮想基盤のように少数のコア単位で分割される独立した多数のワークロードがあるシステムでは、同じコア数でも、1wayより2wayにした方がよいです。単純にメモリやIOが分散されるので。逆に、多数のコアで動くスレッドが同じリソースにアクセスするようなワークロードだと、2wayにした場合プロセッサ間通信がペナルティになります。
また、シングルスレッド性能が要求される場合、同じコア数でも1wayより2wayにした方がよい場合があります。これは、
- コア数が少ないが定格動作周波数が高いモデルがある。例えば、3.0GHz 16コアより、3.5GHz 8コア×2の方を選ぶほうがよい場合もある。
- インテルで言うところのTurbo boostが使えるかはCPUあたりの負荷が影響するので、同一負荷なら2wayに分散したほうが最大動作周波数で動きやすい。
ことによります。
あと、メモリの必要枚数に注意が必要です。プロセッサによって4枚とか6枚単位で実装しないと性能が出ません。6チャネルのプロセッサなら、2wayにすると最低12枚必要になります。逆に、12枚実装する前提であれば、2wayで2×6チャンネルを有効に使う方がよい場合もあります。
ということで、きちんと設計しないと必要なパフォーマンスがでないとか無駄な投資になるとかそういうことになります。以前はCPUも単純に「高ければ速い、2個積めば倍」だったのでいい加減でも割と問題にならなかったのですが、今時はいい加減だと失敗します。
性能以外の観点では、コア数・プロセッサ数でライセンスを数えるソフトウェアに注意が必要です。Oracleは特に有名ですが、それ以外にも多いので気をつけてください。最近は普通まずWindowsのライセンスが問題になります。