計測のために関数を用意しました。
グローバル変数アクセスコストの影響を避けるために、必要な値は引数で渡します。
>>> def f1(n, nums):
... for i in range(n):
... if len(nums) > 0:
... pass
...
>>> def f2(n, nums):
... for i in range(n):
... if nums:
... pass
これを測定すると以下のような結果になりました。
>>> import timeit
>>> _nums = [1,2,3,4,5]
>>> timeit.timeit(lambda: f1(n**2, _nums))
6.453588549000187
>>> timeit.timeit(lambda: f2(10**2, _nums))
1.932719354000028
ここまでは元の質問にある通りの結果といえます。
そこで、内部でどのような中間コードが実行されるのかをdisモジュールで確認します。
f1の中間コード
>>> import dis
>>> dis.dis(f1)
2 0 SETUP_LOOP 28 (to 30)
2 LOAD_GLOBAL 0 (range)
4 LOAD_FAST 0 (n)
6 CALL_FUNCTION 1
8 GET_ITER
>> 10 FOR_ITER 16 (to 28)
12 STORE_FAST 2 (i)
3 14 LOAD_GLOBAL 1 (len)
16 LOAD_FAST 1 (nums)
18 CALL_FUNCTION 1
20 LOAD_CONST 1 (0)
22 COMPARE_OP 4 (>)
24 POP_JUMP_IF_FALSE 10
4 26 JUMP_ABSOLUTE 10
>> 28 POP_BLOCK
>> 30 LOAD_CONST 0 (None)
32 RETURN_VALUE
f2の中間コード
>>> dis.dis(f2)
2 0 SETUP_LOOP 20 (to 22)
2 LOAD_GLOBAL 0 (range)
4 LOAD_FAST 0 (n)
6 CALL_FUNCTION 1
8 GET_ITER
>> 10 FOR_ITER 8 (to 20)
12 STORE_FAST 2 (i)
3 14 LOAD_FAST 1 (nums)
16 POP_JUMP_IF_FALSE 10
4 18 JUMP_ABSOLUTE 10
>> 20 POP_BLOCK
>> 22 LOAD_CONST 0 (None)
24 RETURN_VALUE
f2は中間コード量がだいぶ短いことがわかります。
最も差が出ている箇所だと思われるのが、f1にある 18 CALL_FUNCTION
前後の処理がf2にはないことです。
これを読み解くと、以下のことが分かります。
if len(nums) > 0:
とした場合、len関数の呼び出しを行い、結果をPythonインタプリタに返し、Pythonインタプリタ上で0と比較する処理が行われている(中間コード 14~24)。
if nums:
とした場合、numsが空かどうかをPythonインタプリタ上ではなく内部実装側で判定している(中間コード 14~16)。
これだけステップ数が異なると、処理時間も大きく変わることが想像できます。