ざっくりとメモリ内の様子の概念図を見てもらうと理解しやすいのではないかと思います。
以下の2行の実行が済むと実行時のスタック・ヒープは(概念的には)以下のような状態になっています。
List<String> list = new List<String>();
list.Add("Hello!");
stack
list -> |List<String>への参照 |
|
|
+-----+
|
| heap
+-> |`list`に参照されるListの中身|
|[0] "Hello!" |
(本当は文字列も参照型だったりするので、参照関係はもっと複雑になるのですが、本質的でない部分は簡略化してあります。)
ここでTestMethod(ref list);
を呼び出すと、TestMethod
内の実引数list2
は以下のような感じになります。
stack
list +-> |List<String>への参照 |
| |
+--+ |
| |
| +-----+
| |
| | heap
| +-> |`list`に参照されるListの中身|
| |[0] "Hello!" |
|
+----+
|
list2 -+
list
とlist2
は同じ変数を表している状態になるのです。内部的には変数の番地(アドレス)を渡しています。つまり「参照渡し」というのは、変数への参照を渡すことを表しています。
この状態でTestMethod
内で、
list2 = new List<String>();
list2.Add("bye-bye!");
が実行されるとこんな感じ。
stack
list +-> |新List<String>への参照|
| |
+--+ |
| |
| +-----+
| |
| | heap
| | |元`list`に参照されてたListの中身|
| | |[0] "Hello!" |
| | (↑どこからも参照されないのでそのうち解放される)
| |
| +-> |`list2`(`list`)に参照されるListの中身|
| |[0] "bye-bye!" |
|
+----+
|
list2 -+
これに対して、C#で値渡しを使った場合、Javaのように値渡ししかない場合は、呼び出し直後は以下のような感じです。
stack
list -> |List<String>への参照 |
|
|
+-----+
|
| heap
+--+-> |`list`に参照されるListの中身|
| |[0] "Hello!" |
|
+--------+
| stack
list2 -> |List<String>への参照 |
list
もlist2
もheap内の同じ実体を指していますが、変数としては別の場所に割り当てられます。
ざっくりまとめると、
- 変数そのものへの参照を渡すことにより「同じ変数」を表すことになるのが参照渡し
- 変数としては別の場所を割り当てられて、その中身だけをコピーするのが値渡し
と言うことになるかと思います。
図も説明も拙いものですが、合わせ技でなんとかご理解頂けるのではないかと期待しています。なにかご不明な点があれば、お知らせください。