Haskellの勉強中にふとラムダ式でパターンは使えるのかと思い、
残念ながら少なくとも標準のHaskellでは使えません。
LambdaCase
というGHCによる言語拡張を有効にする必要があります。
言語拡張を有効にする場合、下記のような特殊なコメントを、ファイルの先頭に書いてください。
{-# LANGUAGE LambdaCase #-}
GHCi上で試したい場合、下記のように入力してください。
:set -XLambdaCase
しかしいずれにしても、ラムダ式の中でパターンマッチをする構文は、tokumeimanxxさんに挙げていただいたようなものではありません。
にもかかわらずなぜコンパイルが通ったのかというと、それはdo
を使ったからです。
do
は通常、Monad型クラスのインスタンスである型の値(「アクション」とも言います)を行ごとに列挙するのに使用するのですが、tokumeimanxxさんが書いたように、それ以外の式を行ごとに列挙するのにも使えます。
なので、tokumeimanxxさんの例で言う\0 -> 1
、\1 -> x
といった行は、それぞれ別々のラムダ式として解釈されてしまっています。
do
記法にアクションでない、普通の式を列挙した場合、結果をlet
で代入しなければ、それらの式は無視されてしまいます。
結果、最後の行に当たる
\n ->
if even n then pow (pow x 2) (n `div` 2)
else x * pow (pow x 2) ((n - 1) `div` 2)
のみが有効な式として解釈されたため、if
式のthen
節もelse
節もどちらでも再帰している上記の式によって、無限ループとなってしまった、ということです。
この、「do
に列挙した式の結果をどこにも代入してない」という間違いは、GHCの警告を有効にすることで、検出できます。
例えば、tokumeimanxxさんのコードをpow.hs
という名前で保存した上で、GHCi
上で下記のように入力すれば、その警告を見ることができるでしょう。
warning: [-Wunused-do-bind]
と書かれている警告が、当該の警告です。
> :set -Wall
> :l pow.hs
[1 of 1] Compiling Main ( pow.hs, interpreted )
pow.hs:3:5: warning: [-Wunused-do-bind]
A do-notation statement discarded a result of type ‘Integer’
Suppress this warning by saying ‘_ <- \ 0 -> 1’
|
3 | \0 -> 1
| ^^^^^^^^
... 省略 ...
Ok, one module loaded.