今までなんとなく Objective-C の Delegate を使っていましたが、もっと理解を深めたいと考えています。 現在は「UITableView を使いたいから Delegate しないと」程度の認識です。
- Delegate の正確な意味合い
- 設計上の位置付け
はどういったものなのでしょうか。
Objective-Cの「デリゲート(delegate)」は、プログラミング言語Objective-Cが提供する特定機能をさすのではなく、アプリケーション実装におけるデザインパターンの一種です。(一例として、Objective-Cとは異なり、C#ではdelegateという言語"機能"が存在します。)
Objective-Cのデリゲートは単なるパターン(≒設計上の決まり事)ですから、ソフトウェア設計者間で共通認識を持つためにも、コーディングを行う上では一定のルール付けが必要とされます。以下、Apple公式ドキュメント「Objective-Cプログラミングの概念」からの抜粋です。(読みやすさのため本質でない部分は削りました)
22ページ:
デリゲート(delegate, 委譲)とは、あるオブジェクトがプログラム中でイベントに遭遇したとき、それに代わって、または連携して処理するオブジェクトのことです。
[...]
デリゲートの仕組み
デリゲートの設計は単純です。委譲する側のクラス(デリゲートクラス)には、一般にdelegateという名前の、アウトレットまたはプロパティがあります。[...]
24ページ:
デリゲートメッセージの形式
デリゲートメソッドの名前のつけ方には規約があります。[...]
28ページ:
カスタムクラスにデリゲートを実装する手順は次の通りです。
* クラスのヘッダファイルに、デリゲートのアクセサメソッドを宣言する。[...]
* アクセサメソッドを実装する。[...]
* デリゲートに対するプロトコルを宣言する。[...]
kmugitaniさんがおっしゃられているように、まずは公式のドキュメントを読んでみると良いと思います(ページ数もそんなにないですし)。
読んでみてなんとなく分かったら、自分でDelegateを持ったクラスを作成するとより理解が深まると思います。
だいぶ端折っていますが、Objective-Cならこんな感じです。
MyView.h
@protocol MyViewDelegate <NSObject>
// プロセス完了時に実行される
-(void)processCompletion
@end
MyView.m
-(void)completion
{
// MyViewで必要な処理を実行する
// デリゲートメソッドを呼ぶ
[_delegate processCompletion];
}
あと、これは参考になるか分かりませんが、少しだけ他の言語を触ってみると気づきがあるかもしれません。
自分の場合はAndroidのEventListenerを触った時に少し分かった気がしました。
オブジェクト指向及び delegate については以下の資料の
「最強オブジェクト指向言語 JavaScript 再入門!」
http://www.slideshare.net/yuka2py/javascript-23768378
下記のスライドのあたりが個人的にはいちばん参考になりました。