wsl上のdebian(stretch)でPython3.7をインストールするにはどうすればいいのでしょうか?
stretch-backportsを検索してもPython3.5が出てきてしまいます。
さらに調べてみるとtestingには3.7があるようです。
WSL上のdebianでtestingからpackageを取得するにはどうすればよいのでしょうか?
WSL の Debian でも、通常の Debian と同様の方法で testing からインストールすることができます。ただし実装の差などの問題から、インストール後に何かしら警告やエラーが出る可能性はあります。
testing からインストールする方法は、Debian Wiki のページ DebianTesting に解説があります。インストール手法だけでなく testing とは何かから解説がありますので、ご一読ください。また、紹介だけですが日本語での短い解説もこちらにあります。
インストール手法だけ抜粋・日本語訳すると、以下のような流れになります ("How to upgrade to Debian (next-stable) Testing" に書かれていることです)。システムを stable から testing にアップグレードする形です。testing から stable にはやや戻しにくいのでご注意ください。
apt update
できるか試す。この際 oldstable ではなく stable にしてください。/etc/apt/sources.list
を編集し、stable
を testing
にする。(この際、元の sources.list
のバックアップを取っておくとやや安心です。)*-backports
や *-updates
のような、stable のためだけの行をコメントアウトする。apt update
や apt upgrade
等をしてアップグレードする。ただしこのやり方は Python に限らずシステム全体を testing 環境に置くことになります。注意してください。
testing を使うとシステム上の他のパッケージのバージョンにも影響するかもしれません。このため Python 3.7 が欲しいだけなら、Python のために作られたバージョンマネジャーや仮想環境を使うことをオススメします。
たとえば tanalab2 さんの回答で解説されている pyenv や、本家 Stack Overflow の別質問で解説されている Anaconda が有名です。Yasuhiro さんの回答には他の選択肢も書かれています。
また、Python 公式サイトから Python 3.7 のソースコードをダウンロードし、自前でビルドしてインストールする方法を使うことでも、Python 3.7.x をインストールすることができます。
testing
を使うのは安定性の問題から通常は勧められません。安定版にインストールするのが基本です。
Pythonをインストールする話になると、日本ではまずpyenv
が出てくるのですが、pyenv
は、データサイエンスをしたい場合やWebアプリ等のアプリケーションを作りたい場合には向いていません。アプリケーションの開発中はPythonのバージョン等環境を固定するのが一般的なので、環境分離ツールには公式のvenv(virtualenv)
又は最近開発されたpipenv
を利用した方がベターです。パッケージの作成者以外ではpyenv
を使ったらいいというケースはあまりないと思います。
まず、初心者やデータサイエンスをしたい場合は、Anacondaが最適です。データサイエンスの場合、Anaconda
を使うと楽ができます。パッケージがすべてコンパル済みになっているのでパッケージのインストールに面倒なことがない上にインストールが速いです。また、numpy, scypyは、インテルのMKLがリンクされたものなので、PyPIのバイナリーパッケージを使うよりかなり高速です。自分の経験では、最近購入したPCでは浮動小数点数のベクトル演算が4倍も違います。Anacondaには、conda
という環境管理ツールが付属していて、複数のバージョンのPythonを切り替えて使うことができます。なお、Anacondaを使う場合は、PATHを通すと問題が出てくるので、source anaconda3/bin/activate
でAnaconaの環境をアクティベイトするようにすると問題なく使えます。
Webアプリ等のアプリケーションを作りたい場合は、公式サイトからソースコードをダウンロードしてきて自分でビルドするのが早いです。unix.stackexchange.com の「How to install Python 3.6?」という質問の回答でもソースからインストールする方法が一番多くプラス投票がついています。自分でビルドするといっても以下のコマンドで簡単にインストールできます。
wget https://www.python.org/ftp/python/3.7.0/Python-3.7.0.tar.xz
tar -xf Python-3.7.0.tar.xz
cd Python-3.7.0
./configure --enable-optimizations
make -s -j2
sudo make altinstall
python3.7
それらのコマンドを実行する前に、依存関係をインストールしておく必要がありますが、「How to install Python 3.6?」の回答では次ののようになっています。これは、pyenv
でインストールする場合も同じで、pyenv
は結局上のコマンドを自動で実行しているだけの話です。
sudo apt-get install -y make build-essential libssl-dev zlib1g-dev
sudo apt-get install -y libbz2-dev libreadline-dev libsqlite3-dev wget curl llvm
sudo apt-get install -y libncurses5-dev libncursesw5-dev xz-utils tk-dev
自分の場合は、それに追加して以下のdevパッケージをインストールしています。
sudo apt-get install iblzma-dev uuid-dev libffi-dev
venv
に変るnpmみたいなPipenv
は公式ツールなんですね。勉強になります。ただ、pyenv
と、venv
orPipenv
の比較は少し違う気がします。pyenv
はpythonのバージョンを手軽にインストール、切替するためのツールなので、venv
やPipenv
と共に使います。
debianはパッケージのバージョンが古いことが多いです。
今後、各種バージョンのpythonをインストールする予定があるのであれば, pyenvをインストールして利用すると、各種バージョンのインストールと切替が容易なため便利だと思います。
インストール方法は、以下の記事が参考になると思います。
Windows10(WSL)で、2018年的Pythonプロジェクト(①pyenv/pipenvの導入)
pyenvの使い方は、以下の記事が参考になると思います。
以降にも簡単にまとめました。
pyenvをインストールしてしまえば、以下によりインストール可能なバージョンが表示されますので、そのなかから必要なバージョンを決めて、
pyenv install -l
Available versions:
2.1.3
2.2.3
2.3.7
2.4
..略..
以下により該当バージョン(例: 3.7.0)をソースからインストールできます。
pyenv install 3.7.0
インストールしたpythonを利用するには、以下を実行すれば、ログインしたシェル全体で該当バージョンのpythonを利用できます。
pyenv global 3.7.0
python --version
Python 3.7.0
プロジェクト単位にバージョンが異なる時など、特定のディレクトリ内でのみ該当バージョンのptyhonを利用したい場合は、以下を実行します。
(実行したディレクトリ内に.python-version
ファイルが作成されバージョンが記録されます。)
pyenv install 3.6.4
pyenv local 3.6.4
python --version
Python 3.6.4
インストールされたpythonのバージョンは以下で確認できます。
pyenv versions
system
3.6.4
* 3.7.0
pyenv
は日本特有の多重下請構造労働者向けなんですね。承知しました。