必ずnilではない値が入ってくるのになぜ必要なのでしょうか?
必要ないですね。ですから、現在は変更されています。(挙げていただいた例は複数のメソッドがミックスされてしまっているようですが、まぁ、言いたいことは伝わります。)
captureOutput(_:didOutput:from:)
Declaration
optional func captureOutput(_ output: AVCaptureOutput,
didOutput sampleBuffer: CMSampleBuffer,
from connection: AVCaptureConnection)
metadataOutput(_:didOutput:from:)
Declaration
optional func metadataOutput(_ output: AVCaptureMetadataOutput,
didOutput metadataObjects: [AVMetadataObject],
from connection: AVCaptureConnection)
ではなぜ「昔はImplicitly Unwrapped Optional型を使用していたのか?」という点ですが。
- 当時のSwiftがiOS/macOS用のAPIを参照する場合には、Objective-Cのヘッダだけを元にしていた
- 当時のObjective-Cには、参照型が
nil
(NULL
)になりうるかどうかを示す方法がなかった
そこでAppleのSwiftチームのメンバーはObjective-CのAPIを移入するにあたり、「NULLになりうるかどうかの査定が済んでいない参照型は全部Implicitly Unwrapped Optional型にする」と言う方針を採用しました。
この方針には異論もありましたが、「Implicitly Unwrapped Optional型は限られた状況以外では使用を非推奨にし、NULLになりうるかどうかの査定が済んだら非Optional型にするか、(明示的)Optional型に変更する」ことで、「NULLになりうるかどうかの査定が済んだ」かどうかがわかりやすくなる、と言うメリットがありました。
と言うわけで、現在でもImplicitly Unwrapped Optionalが使用されているApple製のAPIがあれば、そのAPIについては「NULLになりうるかどうかの査定」が済んでいないのか、なんらかの理由でImplicitly Unwrapped Optionalにしないといけないのだと思われます。
(サードパーティがどう対応するかと言うのはまた別問題で、「そもそもSwift対応のためにObjective-Cのヘッダーを書き換える気がない」と言う場合もあるでしょう。)
その他にも、SwiftがObjective-CのAPIを移入する方法はバージョンごとに少しずつ変化しており、引数ラベルやパラメータのデータ型が変わっていたりします。APIの情報については常に最新のものを参照するように心がけた方が良いでしょう。