6

および のプリプロセッサ #if の条件式と、いわゆる「本文」中の条件式は同じ結果を得るものだと思っていましたが、違うことがあるようです。

#include <stdio.h>
#define PHYSICAL_ROM_TOP (-262144) /* 0xFFFC0000 を符号付きで表記 */
int main() {
    printf("%d\n", PHYSICAL_ROM_TOP==0xFFFC0000);
#if PHYSICAL_ROM_TOP==0xFFFC0000
    printf("same\n");
#else
    printf("different\n");
#endif
    return 0;
}

Visual C++ 2005 での結果 cl -Ox -FAsc foo.c1 different
[email protected] での結果 gcc -O foo.c1 different
野良ビルドした gcc-7.1.0@i686-pc-cygwin (32bit) での結果 1 different
某組み込み系ワンチップマイコン用のコンパイラの1 1 different
某組み込み系ワンチップマイコン用のコンパイラの2 1 same

ちゃんとコンパイル時定数式として扱ってくれているかどうかの確認のためアセンブラも出力させてみました。最適化を有効にすると全てのコンパイラで 1 に対して即値を生成しているので、コンパイル時定数式と見てくれているのは間違いないです。

言語規格書をチラ見した範囲ではこの違いについて納得できる説明を見つけることができませんでした ( 規格書 JIS X 3014:2003 の 16.1 や 5.19 や 18.2)

この #if#else 側になる説明をしていただけると幸いです。

3
  • 1
    参考までに、How does the standard C preprocessor interpret "0xFFFFFFFF"? によると、Numbers in preprocessor expressions (which are relevant only in #if and #elif directives) are taken to be of the widest available integer type なので、long long int として扱われるらしいです。ですので、#if PHYSICAL_ROM_TOP == 0xFFFFFFFFFFFC0000 となる様です。
    – user39889
    2017年11月27日 8:40
  • JIS X 3014:2003 16.1-4 には intlong として unsigned intunsigned long として扱うとは書かれているんですが long long とは書かれていないんですよね・・・
    – 774RR
    2017年11月27日 9:48
  • JIS X 3010:2003 6.10.1 には intmax_t および uintmax_t として扱う、となっていました。なので long long int が 64bit な処理系なら @metropolis さんのコメントにある通り、なようです。
    – 774RR
    2017年11月27日 9:57

1 件の回答 1

7

自己回答になっちゃいます。 JIS X 3014:2003 (C++03) でなくて JIS X 3010:2003 (C99) を見ればよかった。以下 JIS X 3010:2003 の要約というか、オイラの勝手な解釈というか。

6.10.1 条件付き取込み
(プリプロセス中は)すべての符号付き整数は intmax_t として、符号無し整数は uintmax_t として扱う。

6.7.2 型指定子
long long intunsigned long long int は型指定子である。
(要するに を名乗るには long long int をサポートしなければならない)

5.2.4.2.1 整数型の大きさ
long long intunsigned long long int は 64bit 以上の大きさでなければならない。

7.18.1.5 最大幅整数型
intmax_t はすべての符号付き整数値を表現可能な型
uintmax_t はすべての符号無し整数値を表現可能な型
処理系はこれらを提供することが必須。

すなわち intmax_t は 64bit 以上の整数型と読み解けます。

ということで C99 以後では (-262144) は [プリプロセッサが処理する際には]
0xFFFFFFFFFFFC0000 に等しく 0x00000000FFFC0000 とは等しくない、ということになります。 same となったコンパイラは確かに 非対応な古いものでした。

JIS X3014 というか ISO/IEC 14882 の新しい版では 16.1 に改正が入っているのでしょう(未確認)。この種の疑義を晴らすには新しい版を入手する必要がありそうです。

追記: JIS X 3010-1993 (C89) を確認してみました。
JIS X 3010-1993 6.8.1 条件付き取込み

int 及び unsigned int がそれぞれ long 及び unsigned long の表現をもつかのように動作する。

C89 には 64bit 型をサポートしなければならない規定は無いはずなので、プリプロセッサ中の演算は(今回挙げた例では) 32bit で行われて結果は same になる、ということです。

この質問に回答するには、ログインする必要があります。

求めていた回答ではありませんか? のタグが付いた他の質問を参照する。