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「基礎から学ぶC++の教科書」という本で

大部分の演算において、被演算子の評価順序は決まっていません。
たとえば、式A+式Bという演算があったときに、式Aと式Bのどちらが先に評価されるかは決まっていません。
ですから、評価の順序に依存するようなコードを書かないように注意してください。次のコードの実行結果は、おそらく納得できるものにはならないでしょう。

  int n = 1;
  n = --n / --n;
  cout << n << endl;

と書いてありました。
これを実際に実行してみると1と表示され、確かに予想していなかった結果でした。

ただ、これは評価順序が不定だからという理由では納得できません。

何故なら左から評価すれば、

n=0/-1

なので、0。

右から評価すれば

n=-1/0

で0で除算する事になりエラーとなり、
評価順序がどちらの場合も1にはならないように思えるからです。

何故1になるのでしょうか?

「同じ数/同じ数」という形で評価されて1となっていると仮定すると、
同時に評価されていると考える事できますが、
そのような事はあるのでしょうか?

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これは評価順序が不定だからという理由では納得できません。

直接原因は、式n = --n / --n;の評価順序が不定なことにより「未定義の動作(Undefined Behavior)」が生じるためです。

プログラミング言語CやC++では「未定義の動作」に対して、何の保証も与えなくて良いという仕様になっています。質問中の例で言えば、値0となることもゼロ除算となることも、値1となることも、全てがこの式の実行に対する正しい結末と言えます。(もちろん、プログラマ視点では納得いかないでしょうけど...)


「同じ数/同じ数」という形で評価されて1となっていると仮定すると、同時に評価されていると考える事できますが、そのような事はあるのでしょうか?

ありえます。C++コンパイラはあるコードが「未定義の動作」を起こしうる場合、"そのような未定義の動作は起こるはずがない"と解釈してコード最適化を行います。これは良い意味では、プログラマが間違ったコードを書くはずがないという前提に立って、最大限の最適化を行うと解釈できます。ただし、ひとたび間違った=未定義の動作を含むコードに対しては、プログラマにとって予期しない結果をもたらすことがあります。

以下は、(日本語)関連記事へのリンクです:

  • 回答有難うございます。評価順序が不定と言うより、未定義動作なので何でも有りという事だったのですね。EXP30-Cのリンク先の例も分かりやすくて良かったです。 – user25791 17年10月30日 7:44
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そのサンプルはお世辞にも良いとは言えないですね。未定義動作ですから。

ここのストーリー的には2つのことが同時に挙げられているので余計にわからなくなってます。まずは1つ目

  • 部分式の評価順序

サンプル

int f1(), f2(), f3();
int x = f1() + f2() * f3();

乗算と加算では乗算を先に行うわけですが、関数の呼び出し順序はそれとは無関係です。コンパイラは下記のどのコードを生成しても良いことになっています。

  • f1()f2()f3() の順に呼び、最後に乗算→加算する
  • f2()f3() の順に呼びだし乗算して f1() を呼び加算する
  • f3()f2()f1() の順に呼び、最後に乗算→加算する
  • その他

関数に副作用があって、その発生順に意味があるときには注意が必要です。よく例に出されるのはマルチバイト文字の処理 cp932 の全角を取り出したい場合に

mbc = (getchar()<<8) | (getchar()); // 82 A0 の順に読み取って 82A0 にしたい

としてしまうとバグってしまう場合があります。コンパイラは 右の getchar() を先に発行してもよいからです。そういう処理系では結果は 0x82A0 でなくて 0xA082 となり文字化けします。評価順を確定させるには式を分けるのが一番簡単で

mbc = getchar()<<8;
mbc |= getchar();

次に

  • 副作用の発生順序と位置

デクリメント演算子や代入演算子で変数の値が変化することを「副作用」 side-effect と言います。「式文」の主目的はこの副作用を得ることです。 では、最適化の余地を最大にできるよう、この発生順序が決まっていません。

int x=f1(), y=f2(), z;
z=++x * y--;

2行目の式には副作用が3つあります。

  • x の値を +1 する
  • y の値を -1 する
  • z の値を乗算の結果( +1 した後の x の値と、 -1 する前の y の値の積)とする

この副作用が具体的にいつ発生するかは未規定 unspecified です。下記のどれも正しい動作です。ほとんどの場合にはどれであっても問題ありません。

  • x の値を +1 して→乗算し→ y の値を -1 し→乗算結果を z に代入する
  • x+1 の値を求めて→乗算結果を z に代入し→ y の値を -1 し→ x の値を更新する
  • y の現在値を一時保存し→ y の値を -1 し→ x の値を +1 し→ 乗算結果を z に代入する
  • その他

提示例題の場合も副作用が3つ [n-1 する] [n-1 する] [n に除算結果を代入する] があり、どの順に発生させてもかまわないわけです。ですが、ここで言語仕様「副作用完了点と副作用完了点の間にて、1つのオブジェクトに複数の副作用が発生させるのは未定義動作」から、このプログラムはどんな結果になってもかまいません(例外発生して終了するのも、除算結果が 42 になってもかまいません)

サンプルに出すにはよくないコードに当たってしまいましたね。ひとまずそのダメコードは忘れましょう。ダメなコードを書くと予想外な結果が出てしまうのが であると体験できたので良しとしておきます。

  • 回答有難うございます。例に出されている「z=++x * y--;」の場合も未定義動作という事でzがどのような値になっても問題無いという事でしょうか? – user25791 17年10月30日 7:39
  • 1
    オイラのこの例では3つのオブジェクトにそれぞれ1つの副作用が発生しています。未定義動作になるのは「1つのオブジェクトに複数個」の副作用が発生している場合だけなので、オイラの例では未定義動作になりません.元ネタでは n 1つに3個の副作用が発生しているわけで状況が異なります。 – 774RR 17年10月30日 7:52
  • 代入文で副作用が複数回起こるのは良くない事だと思ってしまってました。という事は、func(i++, i);は駄目なコードだけれどfunc(i++, k);なら大丈夫という事ですか? – user25791 17年10月30日 7:59
  • はいそういうことです。その例は @yohjp さんのリンク先にも挙げられていますね。関数の引数を区切るカンマは「カンマ演算子」ではないと解釈されますからダメな例ということになります。 – 774RR 17年10月30日 8:05
  • そうですね。駄目な例として出されていました。良い例に、関数の引数でインクリメントを使ったものが無かったので、安直に「関数の引数ではインクリメントを使わないようにしよう」と思っていましたが、良く良く考えたら別変数であればどのような評価順序であろうが関係ないから良いという事ですね。回答有難うございました。 – user25791 17年10月30日 8:21
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yohjpさんが説明されているようにあくまで未定義動作ですのでどのような結果でも受け入れるべきです。

その上で、手元のVisual Studio 2017では偶然ながら1が得られているので、あくまで一例として、この環境においてどのような解釈が行われているかについて説明します。

int n = 1;
n = --n / --n;
// => 1

ですが

int n = 2;
n = --n / --n;
// => 実行時エラー
int n = 3;
n = --n / --n;
// => 1

でしたので、--n / --n

  1. 一つ目の--nによりnをデクリメントする
  2. 二つ目の--nによりnをもう1回デクリメントする
  3. 一つ目のnを読み込む
  4. 二つ目のnを読み込む(当然ながら3.と同じ値)
  5. n / nを実行する(当然ながら1

という動作のようです。

  • --nはデクリメント後、値を返すという考えがあったので、nが2回デクリメントだけ行われた後、nの値を読み込むという動作になっているとは考えづらいと思っていました。未定義動作だとこのような事も起こるという事ですね。回答有難うございました。 – user25791 17年10月30日 7:52

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