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検証環境

  • Google Chrome 61.0.3163.100
  • Firefox 56.0

コード

下記コードを実行すると、期待通りの結果を返します。

console.log('abcd'.indexOf('abcd', 1));   // -1
console.log('abcd'.includes('abcd', 1));  // false

次に下記コードを実行すると、期待に反した結果が返ってきます。

console.log('abcd'.indexOf('abcd', -1));  // 0
console.log('abcd'.includes('abcd', -1)); // true

ECMAScript 2017

String.prototype.includes, String.prototype.indexOf の仕様を読むと、第二引数 positionToInteger() を通すことで整数化しています。

  1. Return the number value that is the same sign as number and whose magnitude is floor(abs(number)).

number-1 であった場合、abs(number) によって -11 となりますので、「'abcd'.indexOf('abcd', -1) と 'abcd'.indexOf('abcd', 1) の返り値は等価となるはず」と考えていますが、期待に反して、Google Chrome/Firefox は等価ではない挙動を示しています。

MDN

fromIndex Optional
呼び出す文字列内の検索を始めるための位置。整数を指定できる。デフォルトの値は 0。fromIndex <= 0 の場合、文字列全体が検索される。fromIndex >= str.length の場合、 文字列は検索されず -1 を返す。searchValue が空文字でない限り、str.length が返される。

MDNによれば、第二引数に負の数が指定された場合は 0 が指定されたのと同じ挙動となるようですが、仕様と異なる説明がされているように感じ、もやもやしています。

仕様をどのように解釈すれば良いのでしょうか。

  • ToIntegerの挙動について、符号に関する部分(the same sign as number)を読み落としているようです。 – letrec 17年10月1日 16:01
  • ありがとうございます。確かに読み落としていました。 – think49 17年10月1日 16:46
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抽象演算ToIntegerは、仕様に基づき疑似jsコードで書くと次のようになります:

const ToInteger = argument => {
    // 1. Let number be ? ToNumber(argument).
    const number = Number(argument);
    // 2. If number is NaN, return +0.
    if (isNaN(number)) {
        return +0;
    }
    // 3. If number is +0, -0, +∞, or -∞, return number.
    if (number === 0 || !isFinite(number)) {
        return number;
    }
    // 4. Return the number value that is the same sign as number and whose magnitude is floor(abs(number)). 
    return (number < 0 ? -1 : 1) * Math.floor(Math.abs(number));
};

ToIntegerは文字通り数値を整数に丸めた値を返します。ただし、符号は同一 the same sign であり、 数値の大きさ magnitude は絶対値を切り捨てたもの floor(abs(number)) としています。

(補足: 符号を無視する場合の抽象演算としてToUint*が定義されています。これとは別に符号を維持する整数化メソッドとしてToIntegerがあるのです)。

他方、String.prototype.indexOfの仕様によれば、第6ステップ:

  1. Let start be min(max(pos, 0), len).

より、ToIntegerされたposition引数が負数であった場合、max関数(これはMath.maxと考えていいです)により0に引き上げられ、省略したときと同じ結果になるでしょう。これを指して「fromIndex <= 0 の場合、文字列全体が検索される」と書かれていると考えられます。

結論として、indexOf/includesの第二引数についてはsliceなどのように負のインデックスを処理することが仕様としては要求されておらず、むしろ負である場合はこの引数を省略した場合と同様にみなして処理すると定められている、と解釈されます。

  • ありがとうございます。とても詳細な説明で深く理解できました。 説明を読んだ後の初見では、floor(abs(number)) の下りが回りくどい処理をしているように感じましたが、良く考えてみたところ、Math.floor(-1.9) === -2 ではなく、Math.sign(-1.9) * Math.floor(Math.abs(-1.9)) === -1 が欲しいがための処理と解釈しました。 – think49 17年10月1日 16:52

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