本題に関しては解決済みなので、言語規格書 JIS X 3010:2003 を引き引き、重箱の隅をつついてみます。
符号付き整数を2の補数以外の方法で表記してかまいません (6.2.6.2) 。
int
は符号付き(なので絶対値を取ることに意味がある)ですが、符号付き負数の右シフトの挙動は処理系定義です (6.5.7)
int
は 16bit 以上が必要とされています (5.2.4.2.1) 。一方でシフト演算子の右オペランドが整数型の幅以上の場合は未定義動作とされています (6.5.7) 。実際に int
が 16bit である処理系は存在します。
int
に詰め物ビットがあっても良いことになっています。詰め物ビットの値は未規定つまり何が入っているかは不明です (6.2.6.2)
なので言語規格書的には -1 >> 31
の結果が「全てのビットが1の数」であるとは限りません。その意味で提示コードは規格厳密合致とは呼べないものとなっています。
規格書にはそのように書かれていますが、現実問題としてオイラが過去に使ったことのある全ての CPU 全てのコンパイラで
- 2の補数を採用していました。
-「負数の右シフト」の挙動は 1/2 (符号ビットを右にコピーし、符号ビット自体はそのまま残す) でした。
- int
が 16bit な処理系は今でも存在します (組み込み系など)
- int
に詰め物ビットがあるものはありませんでした。
ということで、提示コードは「一般的な処理系では問題ないが、特殊な処理系では実用する前に一応動作確認しておくべし」 (処理系のマニュアルを読んで問題ないことを確認してから使うべし) ということになりそうです。
追記
2の補数系、詰め物なしならば int
が何ビットでも良いように直すとしたら
#include <limits.h>
#define INT_BIT ((sizeof(int)/sizeof(char))*CHAR_BIT)
return b ^ (b>>(INT_BIT-1)) - (b>>(INT_BIT-1));
ってとこですかね? sizeof(char)
は 1
と決まっているので
#define INT_BIT (sizeof(int)*CHAR_BIT)
でも良いわけですが。
^
は xor(exclusive or)ですので、b = 1
の場合、(b ^ (b >> 31))
は1
になります。int
など32bit以上の環境では右シフト不足で不正な結果になりそうですね。