仕様によれば、
The EXTINF tag specifies the duration of a Media Segment. It applies
only to the next Media Segment. This tag is REQUIRED for each Media
Segment.
The EXT-X-TARGETDURATION tag specifies the maximum Media Segment
duration. The EXTINF duration of each Media Segment in the Playlist
file, when rounded to the nearest integer, MUST be less than or equal
to the target duration; longer segments can trigger playback stalls
or other errors.
ということで、概略すればEXTINF
はセグメントの実時間、EXT-X-TARGETDURATION
はセグメントの実時間の最大値を示します。
一般的に言って、動画コーデックが任意の動画を指定の時間できっちり分割できるとは限りません。たとえば、10秒のセグメントと指定したとして、コーデックあるいはエンコーダの都合上、セグメントに含まれる長さは10.00000....秒とはならずに、たとえば10.001秒とかになったりするわけです。
例としてffmpegで動画セグメントを生成する処理を-segment_time 10
で実行すると、segment listは以下のようになります。
#EXTM3U
#EXT-X-VERSION:3
#EXT-X-MEDIA-SEQUENCE:0
#EXT-X-ALLOW-CACHE:YES
#EXT-X-TARGETDURATION:12
#EXTINF:10.010000,
test.000.ts
#EXTINF:10.610600,
test.001.ts
#EXTINF:5.343667,
test.002.ts
#EXT-X-ENDLIST
各セグメントに含まれる動画の時間は、前述の理由により指定値である10秒より多少前後します。ffmpegは安全策として、指定値10に対してEXT-X-TARGETDURATION
を12としている意味は、引用のとおりこれがセグメントの最大長を示すものだからです。対してEXTINF
は実際のセグメントの長さを示しており、プレイヤーはこれに基づき動画を取得/再生するものとされています。
結論としては、もし
この#EXT-X-TARGETDURATIONと#EXTINFときっちり10秒にしたライブ配信
が本当にできているならば、すなわちセグメントの長さがまったく完全に10秒に正しく分割されているならば、仕様上では問題が起こりません。しかしながら、たとえば動画末尾のセグメントを考えてみると、これが10秒にきっちりなる場合というのは、動画全体の長さがきっちり10の倍数秒である場合に限られます。そういうシステムであればいいのですが、一般的にいってこれを仮定して(あるいは仕様として)設計することは無意味に条件がついて面倒です。
なぜか途中で止まります
というのも原因はこれではないかと思われます。もしEXT-X-TARGETDURATION
が10とされているならば、各セグメントは少なくとも10秒以下でなければなりません。しかし、10秒を指定して分割した場合、繰り返しになりますが10秒を超えるセグメントも存在しうるわけです。このとき、longer segments can trigger playback stalls or other errorsに該当することになります。