質問に内容が追記されましたので、主にその部分について説明を試みたいと思います。
JavaScriptのように関数を定義して、その関数を呼び出すことが出来る言語の動作を考えてみてください。関数定義は一箇所にしかなくても、その関数の呼び出しはプログラム中のいろいろな場所から行うことができます。
function myFunc() {
//...
}
//...
myFunc(); //(A)
//...
myFunc(); //(B)
myFunc();
という関数呼び出しを実行すると、制御はmyFunc()
関数の中身に移って、定義された内容が実行されるわけですが、関数の中身の実行が終わった後は、関数呼び出しの続きを実行しなければいけません。従って関数呼び出しの時には最低でも「この関数の中身の実行が終わったらどこに戻ればいいのか」をどこかに覚えておく必要があります。
一般的な意味での再帰呼び出しを許す言語では、このような情報を「スタック」と呼ばれるデータ構造(先入れ後出し(FILO)なんて言い方もあります)に積み上げる形で保存します。
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+-戻り先は(A)の後ろです-> myFunc()の呼び出し(A)
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<--------------------- スタックを戻すと共に戻り先が(A)の後ろであることを知る
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(A)の後ろの実行を続ける
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+-戻り先は(B)の後ろです-> myFunc()の呼び出し(B)
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<--------------------- スタックを戻すと共に戻り先が(B)の後ろであることを知る
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(B)の後ろの実行を続ける
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と言った感じの流れでコールスタックを使うことにより、(A)のmyFunc();
呼び出しが済んだら(A)の続きを、(B)のmyFunc();
呼び出しが済んだら(B)の続きを実行することが出来るわけです。
関数呼び出しが式の中に埋め込まれている場合には「(x)の後ろ」とはどこなのか、説明が難しくなるので詳細は省略しますが、「式の計算の続きが実行できるところ」を表現する何かがスタックに保存されるのだと思ってください。
spitson さんの紹介されたフィボナッチ数計算を再帰呼び出しで実現した例では、こんな感じで計算が終わるまでに何度もコールスタックが積まれては取り出され、ということが繰り返されます。
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+---> 最初のfib(n)の呼び出し
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+---> fib(n)の実行途中でのfib(n-1)の呼び出し
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+---> fib(n-1)の実行途中でのfib(n-2)の呼び出し
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<----
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+---> fib(n-1)の実行途中でのfib(n-3)の呼び出し
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:
<----
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<----
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+---> fib(n)の実行途中でのfib(n-2)の呼び出し
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:
<----
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<----
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nが大きな数の時にはとんでもない大きさの図になるので、ずいぶん端折って、細かい実行順序も無視していますが、雰囲気はわかっていただけるでしょうか。
よって、この質問
コールスタックが起こるか起こらないかはどう判断できるのでしょうか?
に対する回答としては、
コールスタックにデータが積まれるのは、実際に関数が呼び出される時
コールスタックからデータが降ろされるのは、その関数の実行が終了した時
つまり、 実際の関数呼び出しが起これば、コールスタックの操作は必ず発生する ということになります。
あなたが示されたコード(細かい間違いがあるので、setTimeout(myChange, 5000);
だけに着目しています)では、JavaScriptに「この関数(myChange
)を後で実行してくれ」と指示しているだけで、その関数の実際の呼び出しは起こりません。
従ってmyChange()
呼び出し用のデータがコールスタックに積まれた状態(つまりその関数の実行が終了していない状態)で、さらに重ねて(複数、つまり2個目以降の)myChange()
呼び出し用のデータがコールスタックに積まれることはありません。このような状態は再帰呼び出しとは言わない(従ってそのように定義された関数は再帰関数とは呼ばない)と言うことです。
関数を「後で実行してくれ」と言う意味でパラメータとして渡すのと、その関数が実際に実行されるのとは別物だと言うことをしっかり区別していただければ、ご理解いただけると思います。
myChange
関数の実行途中では、次のmyChange
関数は呼び出されませんので、「自分を呼び出す」「繰り返し処理をする」の2点が成立しても、通常再帰関数とは呼びませんね。myChange
関数が終了し呼び出しのコールスタックが解放された後にtimer処理によりキューからmyChange
関数が取り出されて呼び出されることになります。つまり「コールスタックに(重ねて)複数回乗る」ことはないわけです。このような処理・関数は通常再帰関数とは呼びません。setTimer()
に相当する機構があれば、同じスタイルでの繰り返し処理は可能です。もう少しだけ丁寧に言うと、「再帰関数というのはその関数内(=呼び出されてから最初の呼び出し元に戻る前)で直接または間接的にその関数自身が実行される関数のこと」と言うことになります。「関数外」であっても、間接的に「最初の呼び出し元に戻る前」に呼び出されていれば、再帰呼び出しと言えますし、もっと直接的に参照しているように見えても(あなたのコード例ですね)最初の呼び出し元に戻った後に別の仕組みで呼び出される場合には、再帰呼び出しとは言いません。「再帰呼び出し」「再帰関数」という言葉に絶対的な権威となりうる意味づけがあるのかどうかは知らないのですが、 rio.irikami さんの回答にあるC言語やECMA Scriptの説明も、「昔のFORTRANでは再帰呼び出しができなかった」という場合も、この意味でrecursive(再帰的)という単語を使っています。