JIS X 3014:2003 (ISO/IEC 14882:2003) 16.3.1 実引数代入
JIS X 3010:2003 (ISO/IEC 9899:1999) 6.10.3.1 実引数置換
実引数の中のすべてのマクロを展開する。ただし、置換内容列の中の次の仮引数は除く
- 前処理字句 #
または ##
が前にある仮引数
- 前処理字句 ##
が後に続く仮引数
これがどういう意味か、というと
#
あるいは ##
の対象は、そのマクロの仮引数に与えられた字句(ソースコードに記述した文字の列)そのものです。この質問での提示例 str(foo)
の引数は foo
という字句ですが、 foo
が #define
されてても置換しない、あくまで foo
という字句であるものとして扱う、ということです。
提示 str
は字句を文字列化するマクロなので、結果は "foo"
となります。 "4"
とはなりません。
さて __FILE__
と __LINE__
は #define
されているかのごとくに振舞う仕様です。
#define __FILE__ "example.c"
#define __LINE__ 17
リンク先の static_assert
の最終展開結果が assertion_failed_at_line___LINE__
ではおいしくなくて assertion_failed_at_line_17
であってほしいわけです。であれば #
や ##
の直接対象に __LINE__
という字句ではなくて、その展開結果 17
を与えたいわけです。そのためにはもう一段マクロをかませて、1段目には #
や ##
を使わないことでマクロ展開を行わせ、2段目はその展開結果に #
や ##
を適用し結合させる、ことで目的を達成できることになります。