昨今のアプリケーションであれば、大抵は自分でMakefileを書かずに、autotoolsやcmakeなどのビルドツールを使っていると思います。
それらの場合、ビルド時にインストール先を決定し(例えば「./configure --prefix=/usr」や、「cmake -DCMAKE_INSTAL_PREFIX=/usr」などのように)、その指定に従ってインストール先をコンパイルオプションや設定ヘッダファイルで定義してビルドします。
例えば、以下はcmakeを使ったプロジェクト例です。
main.c
// main.c
#include <stdio.h>
#include "config.h"
int main()
{
printf("Hello, world!\n");
printf("image = \"%s\".\n", DATADIR "/tux.png");
return 0;
}
config.h.in
#cmakedefine DATADIR "@DATADIR@"
CMakeLists.txt
CMAKE_MINIMUM_REQUIRED(VERSION 3.0)
PROJECT(sample)
SET(sample_VERSION_MAJOR 0)
SET(sample_VERSION_MINOR 1)
SET(DATADIR "${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/share/${PROJECT_NAME}")
CONFIGURE_FILE("${CMAKE_SOURCE_DIR}/config.h.in" "${CMAKE_BINARY_DIR}/config.h")
INCLUDE_DIRECTORIES("${CMAKE_BINARY_DIR}")
ADD_EXECUTABLE(sample main.c)
INSTALL(TARGETS sample DESTINATION bin)
INSTALL(FILES tux.png DESTINATION "share/${PROJECT_NAME}")
(後は、適当な画像ファイル「tux.png」を用意します)
このようなプロジェクトで「cmake」を実行すると、以下のような「config.h」が作成されます。
#define DATADIR "/usr/share/sample"
このヘッダファイルをソースファイルでincludeする事により、インストール先を知る事ができます。
もしautotoolsやcmakeを使わずにやるのであれば、自分で何とかするしかありませんが、まぁちょっと覚えるのが大変でもこれらのビルドツールを使用することをお薦めします。
debパッケージを作るのも、上記のファイルを用意した状態から、
dh_make --createorig -s
dpkg-buildpackage -b
で、(「debian/rules」などのファイルも自分で作らずに自動的に作成して)パッケージが作成できて楽ですし。