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本家の質問で観たコードで、
stdout = fopen("out.txt", "w");
の様に書いた場合の挙動について質問されていました。
コードの目的としてはstdoutを利用しているであろうprintfのような関数の出力をコンソールではなくてファイルに出力するというものです。(そういう風に理解しています)
(※本家の質問自体をもう一度ここで質問しているのではないことに注意してください)
このような場合freopenを利用するべきというのは知っていましたが、
(つまりfreopenを使用してのという意味での変更は可能)
動作を再現してみようと思ってgccでコンパイルを試みましたが、

error: lvalue required as left operand of assignment

のようにエラーになりコンパイル自体ができませんでした。
stdio.hの中身を観てみるとマクロで&ファイル構造体のようになっていて、
なるほどコンパイラの言うとおりだと思ったのですが、
本家の質問者はコンパイルして実行しているわけで

stdout は変更可能なのかどうなのか?

という疑問が湧きました。
自分なりに規格を調べて見た結果
freopenの説明の一部に

272) The primary use of the freopen function is to change the file
associated with a standard text stream (stderr, stdin, or stdout), as
those identifiers need not be modifiable lvalues to which the value
returned by the fopen function may be assigned.

「これらの識別子(つまりstdin,stdout,stderr)は変更可能でなくてもよい。」
とあって、
私の解釈としては、
stdoutは(実装上)変更できてもよい(つまり代入可能)し、できなくてもよい。

でも変更不能の場合がある以上
プログラムとして
stdout = fopen("out.txt", "w");
のようなコードは書くべきでは無い
ということです。

私の解釈・意見はともかく、本家の質問者の場合は実際に変更できているわけで、
変更出来る実装だった場合、

このような使用は有効ですか?それとも無効ですか? 
実際に変更できようができまいが、このような使用を試みること自体が無効?
(つまり実質的にこのような代入による変更は不能 ※私の意見はこれ)
規格上このような使用は動作未定義だとされていれば無効だとはっきりしますし、
あるいは実装定義であるということなら状況により使用可能(有効)だということになるかと思いますが、
よくわからないので質問しました。

3 件の回答 3

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いやもう質問自体の中に答えが書いてありますが、あえて蛇足するなら

JIS X3010:2003 7.19 <stdio.h>
7.19.1 概説
stderr stdin stdout は "FILE へのポインタ" をもつ式とする
※オイラの注釈:「式」としか書かれていない。すなわち「変更可能」であるとは明記されていない

7.19.5.4 freopen の注釈 (228)
(228) これらのストリームを表す識別子は snip 変更可能な左辺値とは限らない

なので、言語仕様書上の解釈は
- 「できる」と明言されていないことは「できない」と解釈する必要があることから、
 stdout 等を変更しようとする試みは未定義の動作である
- 未定義の動作の中には「プログラマが勝手に期待している動作」が含まれる

stdout に代入できない処理系では、コンパイルエラーになる
stdout に代入できる処理系であって、代入を行った結果
- stdout のリダイレクトを行ったかの如く振る舞う (プログラマが勝手に期待した動作と同じ動作)
- 何も起こらない (リダイレクトされないまま正常動作を継続)
- おかしな動作をする (stdout に出力したらエラー発生とか)
のどれが起きても「言語仕様書上は」問題ないと読む必要がありそうです。

1
  • 「明言されていない」ことを断言することは(英語に疎く仕様書を正確に精読していない)私には難しいです。 (なので、私には回答の検証もできないですが、他の方が動作未定義ではないという根拠も示されていないし) 私的には納得(回答概要を否定するような論拠もありません)です。
    – BLUEPIXY
    2017年1月7日 21:05
4

GNU C Library ではそれらの標準入出力に関わる変数を変更することを許容しています。

https://www.gnu.org/software/libc/manual/html_node/Standard-Streams.html

In the GNU C Library, stdin, stdout, and stderr are normal variables
which you can set just like any others. For example, to redirect the
standard output to a file, you could do:

fclose (stdout);
stdout = fopen ("standard-output-file", "w");

Note however, that in other systems stdin, stdout, and stderr are
macros that you cannot assign to in the normal way. But you can use
freopen to get the effect of closing one and reopening it.

ただし、注意書きされているように他のシステムでは有効でない可能性があるため、移植性の高いコードを書きたい場合はおススメできません。(代わりにfreopenを使うように、とも書かれています。)

参考までにmusl libcのstdio.hではこれらの変数にconstが追加されて再代入できないようになっています。

extern FILE *const stdin;
extern FILE *const stdout;
extern FILE *const stderr;

追記

STDIN のマニュアル によると「シンボル stdin stdout stderr はすべてマクロとして定義されているので、これらへの代入 は移植性を保証されない。」と書かれています。

3
  • gcc というかglibcがこういう用法を許容しているというのは意外でした。この場合でいうと実装定義ということでしょうか。
    – BLUEPIXY
    2017年1月6日 15:21
  • 1
    明示的に禁止するとは書かれていないため、実装によって動作が異なっていても特におかしくはないと私は解釈しています。
    – kosh
    2017年1月7日 8:05
  • 774RRさんの回答によると未定義動作ということなので、その場合拡張仕様ということになるかと思います。
    – BLUEPIXY
    2017年1月7日 21:08
0

dup2()を使ってファイルディスクリプタに、別のファイルディスクリプタを割り付けるというのはどうでしょうか?

いちおうWindowsとLinuxで動きましたが、言語やOS的に許されてるのかまでは、分かりません。

#include <stdio.h>

int main(int argc, char *argv[])
{
    FILE *fp = fopen("hoge.txt", "w");
    dup2(fileno(fp), fileno(stdout));

    printf("Hello, World\n");

    fclose(fp);
    return 0;
}
3
  • dup2のような手法自体は知っていますが、そのようなことを質問しているのではありません。
    – BLUEPIXY
    2017年1月6日 15:19
  • 2
    ご質問の中で既に答えが出ているのではないでしょうか。変更できる実装だった場合はできるし、できない場合はできない、実装上できなくてもよいとのことなら、freopendup2といった可搬性のある代替策が使える状況で、それでもstdoutに代入することにこだわる理由はないと考えます。
    – soramimi
    2017年1月6日 15:49
  • 1
    本家でよく言及されるfflush(stdin)を例に挙げればこれは規格上はundefined behavior(動作未定義)ですが、MSのようなベンダでは動作が既定されていてそういう意味ではMSを使うという条件で使えるとも言えます。しかし、規格上は動作未定義です。私が訊いていることはそういうことです。
    – BLUEPIXY
    2017年1月6日 16:03

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